CaseFile #001 左手第5指基節骨基底部骨折
初診 2009年5月
初診時レントゲン
9才、女性。
路上を走っていて転倒し、側溝の穴に左手の小指を突っ込み受傷。ただちに当院に来院。
第5指基節骨に骨折を認める。末梢骨片は外転、外旋転位していた。

初診時レントゲン
メタフィーゼのやや上方で骨折を起こした関節外骨折であるが、外傷後成長障害の可能性も考慮した慎重な対応が 求められるケースである。

治療、経過
整復後レントゲン
愛護的に徒手整復を行い、良好な整復位を得られたことを確認し、手関節自然肢位、MP関節40°屈曲、PIP関節80°屈曲、 DIP関節20°屈曲、前腕下端から指先までシーネ固定を25日間行い、後療法、自動ROM訓練にて良好治癒した。

整復後レントゲン

考察
機能解剖図
本症例は転位が大きいものの典型的横骨折で、MP関節屈曲時の側副靱帯の緊張によるMP関節の安定と、屈筋腱が基節骨骨頭を安定させる効果で、外固定のみで十分な骨折部の矯正保持作用が得られるため非観血療法の適応といえる。

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