日常のささいなことを綴った不定期更新の日記です
2017年10月14日 土曜日
「リベラルという病」の表紙
山口真由さんの著書「リベラルという病」を読みました。
山口さんは高学歴タレントとして、テレビやラジオなどでも活躍されているので、ご存知の方も多いと思いますが、現在、東京大学法学部政治学研究科で総合法政を専攻され、日米の家族法を研究されている法律家です。
本書は、アメリカにおけるリベラル(自由主義)とコンサバ(保守主義)を対比して検討し、さらに日本におけるリベラルと保守の違いについて考察した内容です。タイトルからするとリベラルを批判した内容だと思われるかも知れませんが、リベラルと保守の基本的な相違点が分かりやすく解説されており、アメリカという国の最も基本的な仕組みまで理解できる良書です。
アメリカにおけるリベラルは異文化に対してどちらかといえば実は不寛容で、尊重するのはむしろ保守であって、リベラルこそ世界に民主主義を広めようとする、つまり、いわゆるアメリカ帝国主義を体現しているのはリベラルであると山口さんは指摘します。このあたりは多くの日本人が誤解していることなのかも知れないと思いました。また、アメリカにおけるリベラルは人間の理性を信頼し、自然すら人間がコントロールできると信じているようですが、私たち日本人は、心の奥深いところで人知の及ばないことは確かにあると感じていて、それに対する畏怖の念を持っており、アメリカのイデオロギーとしてのリベラル、保守という考え方自体が馴染まないのかも知れないと思いました。

2017年10月9日 月曜日
「アウトレイジ最終章」ポスター
北野武監督作品「アウトレイジ最終章」を観ました。2010年公開のアウトレイジ、2012年公開のアウトレイジビヨンドに続く、3部作の完結編です。
アウトレイジシリーズは、対立するヤクザ組織内外の裏切りと打算、強烈なエゴをムキ出しにした下剋上を描いた群像劇ですが、企業や団体、政治の世界でも似たような争いは日々起こっていて、ただそこに暴力がないだけなんじゃないかと思いました。第48回衆議院選挙真っ只中の今、連日報道される各政党や政治家の動きを見ているとアウトレイジそのままというか、現実世界のほうがはるかに汚いかも知れないことを想像させます。
北野作品では1993年に公開された「ソナチネ」と「アウトレイジ」を対比して論評されることも多いようですが、ソナチネを純文学とするならアウトレイジは大衆小説で、演出も派手でストーリーも分かりやすかったですが、北野作品に共通する、100個のうち99個が汚いものであっても、1個きれいなものがあればそれでよく、その1個を守るためなら命すらいとわないという純粋さが本作でも伝わってきました。

2017年10月1日 日曜日
映画「ユリゴコロ」のポスター
熊澤尚人監督作品「ユリゴコロ」を観ました。原作は沼田まほかるさんの同名小説です。
物語は、亮介が余命わずかな父の書斎で見つけた、ユリゴコロと名付けられた、人の死でしか心を満たすことができなかった女性の手記を入口に、彼女の壮絶な人生と、彼女との数奇な運命が明らかになっていくことに苦悩する亮介と父の姿を描いています。ジャンル的にはサイコサスペンスですが、壮絶な愛と宿命の物語としても成立している奥の深い作品でした。
エンドロールが流れる中で、美沙子にとって洋介は教誨師(死刑囚の心を救済する人)であったのではないかと思いました。しかし、自分を不幸のどん底に突き落とした人を愛し、救うことができる人などいるのか、親鸞の悪人正機説を思い出し、ため息をつきました。深い余韻が残りました。

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