日常のささいなことを綴った不定期更新の日記です
2018年1月14日 日曜日
映画「悪と仮面のルール」のポスター
「教団X」で中村文則さんの小説世界に初めて触れ、「私の消滅」でファンになりました。
「教団X」を読んでから随分経って、元共同通信社記者でジャーナリストの青木理さんの著書「日本会議の正体」を読んだのですが、日本会議の成り立ちが「教団X」の物語と重なるところがあって、もしかすると中村さんは日本会議からインスピレーションを得て教団Xを書かれたのかと思いました。現実とフィクションの境目が混沌とした世界観の中で、人間の本質に迫っていく感じが私好みです。
さて、今回紹介する中村哲平監督作品「悪と仮面のルール」の原作は中村文則さんで、小説の世界観をどう映像化するか楽しみにしていました。
物語の中心を抜くのは、悪である「邪」の心を伝える家系に生まれつつも宿命に抗い、幼馴染の香織を愛することにすべてをかける男の純愛物語で、まるでシェークスピア劇を観ているようでした。邪悪なものから愛するものを守るために犯した罪のため、その愛するものに触れることはおろか、すぐそばに自分がいることさえ伝えることが叶わない悲しみ。なぜ、人は人を殺してはいけないか、その答えがここにあると思います。
俳優陣は主演の玉木宏さんをはじめ、すばらしかったのですが、息子を完全な邪悪にしようとする父親役は、村井國夫さんより強いアクがある平幹次郎さんがよかったのではと思いました。

2018年1月11日 木曜日
小説「嘘を愛する女」の表紙
2018年1月20日に公開される映画「嘘を愛する女」の予告編を見たら原作を読んでみたくなり、岡部えつさんの同名小説を開きました。最後のページをめくると、この作品は映画の脚本から小説として書き下ろされたものであると記載があり、原作ではなくノベライズでした。
互いの愛を確信して、5年間も同棲生活をしていた男の、名前も職業も過去も、全てが嘘だったと知ってしまったら、それでも、その男を愛し続けることができるのか。愛しているがゆえの嘘なら、女の人生を左右するものであっても許されるのか。ミステリーにラブストーリーをからませた、女性ウケするのは間違いない作品だと思います。
映画は小説とは違うエンディングが用意されているようですが、このストーリーにどんな音楽を合わせてくるのか気になります。

2018年1月9日 火曜日
マンガ「乳がんでもなんとかなるさ」の表紙
佐々木彩乃さんの「乳がんでもなんとかなるさ、独女マンガ家闘病記」を読みました。
佐々木さんは40才で独身、都内で一人暮らし。職業はホラー、レディコミを主に描くマンガ家。本書は、そんな彼女が乳がんを発症し、頼れる家族もいない中、ひとり乳がんと闘う日々を描いたコミックエッセイです。
告知から同病者たちとの出会い、膨大なネットの情報、病院選びの難しさなど、右往左往しながら生きるための道を進んでいく姿が、内容はリアルに作風はコミカルに描かれているので、現在、闘病されていて気分の落ち込みなどから、とても本なんか読む気になれないという人でも読みやすいと思います。
検査前のモヤモヤした不安感から、告知された時のショック、診断からセカンドオピニオン、手術、そして現在までの気持ちの変化が、医療者や友人、同病者とのかかわりと共に描かれていて、個人の物語(ナラティブ)を大事にした治療が患者も周囲も幸せすることを改めて感じました。
患者さんの体や心にある痛みや苦しみは、どんなに親しい間柄であっても、それを共有することはできないし、分からないものだと思います。けれど、それを知った上で何ができるのかを考えることができれば、少なくとも患者さんを孤独の淵に立たせなくてもよくなるのではないか。
患者さんだけでなく、医療者にもおすすめの一冊です。

2018年1月2日 火曜日
孤独を克服するがん治療の表紙
知己の医師に誘われて、新潟大学医学部4年生の生命倫理の講義に参加するようになったことをきっかけに、医療者の役割や、医療者と患者の関係性について考えるようになりました。
講義で少しでもマシなコメントができるように関連書を何冊も読みましたが、もっともインスピレーションを得たのは、現役の医師が日々の臨床の中で、あるいは、世の中に氾濫する医療情報に関して、率直な思いをつづったブログでした。
中でも腫瘍内科医として20年のキャリアを持つ押川勝太郎先生(ネット上ではSho先生)の「がん治療の虚実」は、あらゆる意味で医師と患者の垣根を超えた解放感が心地よく、今回ご紹介する押川先生の著書「孤独を克服するがん治療」は、このブログから生まれた、がん患者さんと家族に向けた療養生活を楽にするための、こころの処方箋です。
ブログ同様に、がん患者さんやその家族がいだく代表的な質問、悩みに対して、簡潔な答えが明記されており、さらに、もっと詳しく知りたい人のために、その悩みの解決に最適な本が紹介されています。つまり、がんの治療や療養に役立つブックガイド的にも使える内容になっています。例えば、乳がんに関して、佐々木彩乃さんのマンガ「乳がんでもなんとかなるさ、独女マンガ家闘病記」ぶんか社刊などです。
がん治療に関しては情報が氾濫、錯綜しており、化学療法の是非などは代表的なものだと思いますが、本書は錯綜する情報をわかりやすく整理し、患者さんの不安を取り除き、安心を与える力を持っています。

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