日常のささいなことを綴った不定期更新の日記です
2025年7月6日 日曜日

矢口史靖監督作品「ドールハウス」を観ました。本作は原作のない映画オリジナル脚本です。
チラシの紹介ではドールミステリーとなっていますが、これはホラーです。それもジャパニーズホラーの火付け役となった1998年公開、中田秀夫監督作品「リング」と肩を並べるくらい秀逸の。
主人公は専業主婦の鈴木佳恵。総合病院で看護師をしている夫、忠彦と5才になる娘、芽衣と三人、新築一戸建てで幸せに暮らしていました。
ある日のこと、芽衣の友だち数人が遊びに来て、佳恵がおやつを買いに行っている間、子供たちは「かくれんぼ」をして遊んでいました。ところが、佳恵が帰ってくると子供たちの姿はなく、不審に思い芽衣の友だちの家を訪ねると、芽衣ちゃんはママのところに行ったのだと思って、解散して家に帰ったのだと言います。他の子供たちも皆家に帰っており、芽衣だけが見つかりません。忠彦、警察にも連絡をとり、必死に探しましたが見つかりませんでした。
その夜、佳恵は購入したばかりのドラム式洗濯機のフタを開けると、そこに無惨な姿になった芽衣を発見したのでした。それから佳恵は自責の念にかられ、精神を病んでしまいます。
それから1年後。佳恵はまだ精神的に不安定な状況が続いており、忠彦が勤務する病院の精神科に通っていました。そんなある日、何かに導かれるように行った骨董市で、どことなく芽衣に似ている古びた幼女人形を見つけ即購入します。佳恵は人形をまるで芽衣が生きているかのように可愛がり、笑顔を取り戻します。
忠彦は人形に驚き、佳恵のことが心配になりますが、精神科医から「海外ではドールセラピーは効果があると実証されているから大丈夫」と聞かされ、自身も佳恵に寄り添い、人形を生きてる娘のように扱うようになります。それから間もなく、佳恵は妊娠。第2子となる真衣を出産します。
真衣が生まれると、佳恵は人形のことなどすっかり気にかけなくなり、雑に扱うようになりました。そして、購入した時に付属していた、内向きにお札が貼られた木箱に入れ、納戸の奥にしまいます。
5才になった真衣は納戸の人形を見つけます。佳恵は人形の髪と爪が伸びていることに気付きます。人形は昭和7年製作と古く、当時は人間の髪の毛が使われていたこともあり、伸びたのかもと考えましたが、爪も伸びたことの説明はつきませんでした。
真衣は人形をとても気に入り、いつしか人形に「アヤちゃん」と話しかけるようになりました。真衣は、「アヤちゃんが名前を教えてくれたの」「アヤちゃん、喋れるんだよ」と、うれしそうに佳恵に話します。
この頃から佳恵の周囲で不可解な出来事が頻発するよになりました。真衣の行動もおかしくなり、保育園で首吊りや、溺れているような子供の絵を描くようになります。佳恵は人形が本当に動いているのではないかと怪しむようになります。
人形が創出された秘密がわかった時、あまりの残忍さに目をそむけたくなり、ラストシーンで真実がわかった時、観客は終わらない恐怖に包まれます・・・。
チャイルドプレイ、アナベル、最近ではミーガンなど、人形が登場するホラー作品は多いですが、本作は物語の完成度が群を抜いています。
本作の底には、子供を失った母親の絶望とトラウマが漂っており、それが作品に奥深さや重厚感を与えていたように感じました。見事だったのは、作中に登場する道具や情報に、それぞれきちんと意味を持たせていたことです。例えば、ドラム式洗濯機やYouTubeにあがっていた一見意味がないような動画まで、最初は何気なく出てきたものが、時間を追うごとに「だからこうだったのか」と納得させる要素として見えてくるところです。
展開のよさと、見事な伏線回収。重層的に織りなされる物語が、恐怖の波となって絶え間なく打ち寄せる珠玉のホラーでした。
チラシの紹介ではドールミステリーとなっていますが、これはホラーです。それもジャパニーズホラーの火付け役となった1998年公開、中田秀夫監督作品「リング」と肩を並べるくらい秀逸の。
主人公は専業主婦の鈴木佳恵。総合病院で看護師をしている夫、忠彦と5才になる娘、芽衣と三人、新築一戸建てで幸せに暮らしていました。
ある日のこと、芽衣の友だち数人が遊びに来て、佳恵がおやつを買いに行っている間、子供たちは「かくれんぼ」をして遊んでいました。ところが、佳恵が帰ってくると子供たちの姿はなく、不審に思い芽衣の友だちの家を訪ねると、芽衣ちゃんはママのところに行ったのだと思って、解散して家に帰ったのだと言います。他の子供たちも皆家に帰っており、芽衣だけが見つかりません。忠彦、警察にも連絡をとり、必死に探しましたが見つかりませんでした。
その夜、佳恵は購入したばかりのドラム式洗濯機のフタを開けると、そこに無惨な姿になった芽衣を発見したのでした。それから佳恵は自責の念にかられ、精神を病んでしまいます。
それから1年後。佳恵はまだ精神的に不安定な状況が続いており、忠彦が勤務する病院の精神科に通っていました。そんなある日、何かに導かれるように行った骨董市で、どことなく芽衣に似ている古びた幼女人形を見つけ即購入します。佳恵は人形をまるで芽衣が生きているかのように可愛がり、笑顔を取り戻します。
忠彦は人形に驚き、佳恵のことが心配になりますが、精神科医から「海外ではドールセラピーは効果があると実証されているから大丈夫」と聞かされ、自身も佳恵に寄り添い、人形を生きてる娘のように扱うようになります。それから間もなく、佳恵は妊娠。第2子となる真衣を出産します。
真衣が生まれると、佳恵は人形のことなどすっかり気にかけなくなり、雑に扱うようになりました。そして、購入した時に付属していた、内向きにお札が貼られた木箱に入れ、納戸の奥にしまいます。
5才になった真衣は納戸の人形を見つけます。佳恵は人形の髪と爪が伸びていることに気付きます。人形は昭和7年製作と古く、当時は人間の髪の毛が使われていたこともあり、伸びたのかもと考えましたが、爪も伸びたことの説明はつきませんでした。
真衣は人形をとても気に入り、いつしか人形に「アヤちゃん」と話しかけるようになりました。真衣は、「アヤちゃんが名前を教えてくれたの」「アヤちゃん、喋れるんだよ」と、うれしそうに佳恵に話します。
この頃から佳恵の周囲で不可解な出来事が頻発するよになりました。真衣の行動もおかしくなり、保育園で首吊りや、溺れているような子供の絵を描くようになります。佳恵は人形が本当に動いているのではないかと怪しむようになります。
人形が創出された秘密がわかった時、あまりの残忍さに目をそむけたくなり、ラストシーンで真実がわかった時、観客は終わらない恐怖に包まれます・・・。
チャイルドプレイ、アナベル、最近ではミーガンなど、人形が登場するホラー作品は多いですが、本作は物語の完成度が群を抜いています。
本作の底には、子供を失った母親の絶望とトラウマが漂っており、それが作品に奥深さや重厚感を与えていたように感じました。見事だったのは、作中に登場する道具や情報に、それぞれきちんと意味を持たせていたことです。例えば、ドラム式洗濯機やYouTubeにあがっていた一見意味がないような動画まで、最初は何気なく出てきたものが、時間を追うごとに「だからこうだったのか」と納得させる要素として見えてくるところです。
展開のよさと、見事な伏線回収。重層的に織りなされる物語が、恐怖の波となって絶え間なく打ち寄せる珠玉のホラーでした。