日常のささいなことを綴った不定期更新の日記です
2017年11月5日 日曜日
オレンジリング
長岡市役所アオーレで開催された、新潟日報社主催による、福祉や健康に関わる様々な情報が集う総合イベント「福祉・介護・健康フェア2017」に参加しました。
昼間は上着が要らないくらい暖かくなり、アオーレに集まった多くの市民はイベントに参加したり、ナカドマと呼ばれる屋根付きのフリースペースに設置された飲食ブースで食事をしたり、思い思いに小春日和を楽しんでいました。
私は「長岡ドクターヘリと救急医療」というセミナーと、認知症サポーター養成講座を受講しましたが、どちらも事前申し込みが必要であったにもかかわらず盛況でした。
「長岡ドクターヘリと救急医療」は長岡赤十字病院集中治療科部長と救急救命センター副センター長を兼務する宮島衛先生を講師に、2017年3月より長岡赤十字病院に配備された、新潟県としては2機目となるドクターヘリの概要と稼働状況、地域医療をより良いものするために市民に期待したいことなど約1時間、興味深い話を聞かせていただきました。
ドクターヘリは朝8時30分から日没までが稼働できる時間帯で夜間は飛べないことや、あらかじめ県内807の地点にランデブーポイントと呼ばれる着陸地点が決められており、そこまでの患者搬送は従来通り救急車により行われること、ドクターヘリの患者負担は保険診療の往診として算定され、患者さんを搬送する手段というより、医師や看護師を救急の現場に投入するという意味が強いことなど、イメージとは少し違っていたところもありました。
2017年3月から9月まで、ほぼ毎月50件前後の要請があり、内訳は外傷が54.6パーセント、脳卒中が14.8パーセント、心疾患が8.2パーセントで圧倒的に外傷が多いそうです。
心停止から3分、呼吸停止から10分、大量出血したら30分以内に適切な応急手当をしないと救命率は一気に下がると言われています。中山間地域が多い新潟県ではドクターヘリは極めて有効な手段といえるでしょう。
認知症サポーター養成講座では、認知症に対する正しい知識と理解を持ち、地域で認知症の人やその家族に対してできる範囲で手助けができるように、看護師さんや介護福祉士さんがやさしく解説して下さいました。
特に認知症の人に対する接し方を表現した寸劇は圧巻で、認知症の人に限らず誰に接する時も、たとえ相手が間違っていると思えても、相手には相手の事情があるのかも知れないことを、一歩引いて考えられる余裕が大切だと気付かされました。
写真は認知症サポーター養成講座を受講した証にもらえるオレンジリングです。

2017年10月24日 火曜日
「嘘と人形」の表紙
ずっと以前「ダルマ女」の話を聞いた時には、真相は分からない都市伝説ではあるけれど、いわゆる心霊現象の話などより、はるかに怖いものがありました。岩井志麻子さんが創作する小説世界にもそういった要素があり、単純なホラーではない現代社会の歪みが生み出す恐怖が、これでもかというくらい迫ってきます。
そんな岩井さんの新著「嘘と人形」は、格差社会の拡大が生んだ貧困者の悲しくも恐ろしい闇の世界を描いた、昨今の流行?になっている「イヤミス小説」です。
現代はインターネットを介して世の中とつながり、自分は誰にでも、何にでもなれると思ってしまう人がいるようですが、やはりそれは現実ではないわけです。それに気づかず、リアルな世界と虚構の世界のバランスが崩れてどんどん妄想の世界に中に迷い込んでしまい、SNSの「いいね!」を押してもらうため、あるいは「インスタ映え」する画像を撮るためだけに、収入に見合わないお金を使ってしまった結果、身銭を稼ぐことになり、そこから抜け出せなくなる。そんな危うさ、怖さがあります。読者がイヤミス小説に抱く感情は、怖いけど自分にも起きるかも知れない、あるいは理解できる部分もあるから不快で不安な気持ちになるのかも知れません。
ところで、渉外の銀行員から聞いた話です。
今や誰もが持っているクレジットカード。ポイントが付くので、スーパーの支払いから公共料金、病院の会計までカード決済している方も多いでしょう。カード会社に対する支払いは月締めで一括払いするのが一般的だと思いますが「リボルビング払い」という支払方法があり、これが多重債務で生活が破綻する人の入口になっていると彼は言います。
リボルビング払いとは、今、インスタ映えするネタのために50万円が欲しいけれど、銀行口座にそれほどの残高はない時、カード会社の支払いを毎月一定額、例えば5千円支払うことで買うことができる支払い方法です。当然のことながら金利、手数料はかかるし返済も長期に及びます。ちょっと考えればどういうことになるか分かりそうなものですが、毎月5千円という気安さとインスタ映えが優先されてしまう。結果、借金意識が低くなり債務超過になる。
恐怖は日常のすぐとなりにあります。

2017年10月14日 土曜日
「リベラルという病」の表紙
山口真由さんの著書「リベラルという病」を読みました。
山口さんは高学歴タレントとして、テレビやラジオなどでも活躍されているので、ご存知の方も多いと思いますが、現在、東京大学法学部政治学研究科で総合法政を専攻され、日米の家族法を研究されている法律家です。
本書は、アメリカにおけるリベラル(自由主義)とコンサバ(保守主義)を対比して検討し、さらに日本におけるリベラルと保守の違いについて考察した内容です。タイトルからするとリベラルを批判した内容だと思われるかも知れませんが、リベラルと保守の基本的な相違点が分かりやすく解説されており、アメリカという国の最も基本的な仕組みまで理解できる良書です。
アメリカにおけるリベラルは異文化に対してどちらかといえば実は不寛容で、尊重するのはむしろ保守であって、リベラルこそ世界に民主主義を広めようとする、つまり、いわゆるアメリカ帝国主義を体現しているのはリベラルであると山口さんは指摘します。このあたりは多くの日本人が誤解していることなのかも知れないと思いました。また、アメリカにおけるリベラルは人間の理性を信頼し、自然すら人間がコントロールできると信じているようですが、私たち日本人は、心の奥深いところで人知の及ばないことは確かにあると感じていて、それに対する畏怖の念を持っており、アメリカのイデオロギーとしてのリベラル、保守という考え方自体が馴染まないのかも知れないと思いました。

2017年10月9日 月曜日
「アウトレイジ最終章」ポスター
北野武監督作品「アウトレイジ最終章」を観ました。2010年公開のアウトレイジ、2012年公開のアウトレイジビヨンドに続く、3部作の完結編です。
アウトレイジシリーズは、対立するヤクザ組織内外の裏切りと打算、強烈なエゴをムキ出しにした下剋上を描いた群像劇ですが、企業や団体、政治の世界でも似たような争いは日々起こっていて、ただそこに暴力がないだけなんじゃないかと思いました。第48回衆議院選挙真っ只中の今、連日報道される各政党や政治家の動きを見ているとアウトレイジそのままというか、現実世界のほうがはるかに汚いかも知れないことを想像させます。
北野作品では1993年に公開された「ソナチネ」と「アウトレイジ」を対比して論評されることも多いようですが、ソナチネを純文学とするならアウトレイジは大衆小説で、演出も派手でストーリーも分かりやすかったですが、北野作品に共通する、100個のうち99個が汚いものであっても、1個きれいなものがあればそれでよく、その1個を守るためなら命すらいとわないという純粋さが本作でも伝わってきました。

2017年10月1日 日曜日
映画「ユリゴコロ」のポスター
熊澤尚人監督作品「ユリゴコロ」を観ました。原作は沼田まほかるさんの同名小説です。
物語は、亮介が余命わずかな父の書斎で見つけた、ユリゴコロと名付けられた、人の死でしか心を満たすことができなかった女性の手記を入口に、彼女の壮絶な人生と、彼女との数奇な運命が明らかになっていくことに苦悩する亮介と父の姿を描いています。ジャンル的にはサイコサスペンスですが、壮絶な愛と宿命の物語としても成立している奥の深い作品でした。
エンドロールが流れる中で、美沙子にとって洋介は教誨師(死刑囚の心を救済する人)であったのではないかと思いました。しかし、自分を不幸のどん底に突き落とした人を愛し、救うことができる人などいるのか、親鸞の悪人正機説を思い出し、ため息をつきました。深い余韻が残りました。

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