2010年7月、8月、9月分の日記です
2010年7月1日
そこのまる"
養老孟司さんの写真集「そこのまる」を買いました。「うちのまる」に続く二冊目の写真集になります。内容は前作同様、 養老さんの飼い猫、まる君の日常を撮った、ただそれだけです。
養老さんは別の著書で「一日5分でいいから、人間が創った以外のものをながめて欲しい」と言っています。そういう意味では、 ネコは人間が創った以外のものであるわけですから、ネコをながめるのはいいことなのでしょう。ではなぜ、 人間が創った以外のものをながめることが必要なのか、それは養老さんの著書を読んでいただければ分かると思います。私のおすすめは「人間科学」 と「脳推論」です。特に「人間科学」はこれから医学や福祉を学ぼうという若い人には、ぜひ読んで欲しい一冊です。

2010年7月2日
ポスター"
8月1日より、国民健康保険の方、後期高齢者医療制度の方は保険証が変わります。国民健康保険の方はピンク色、 後期高齢者医療制度の方はオレンジ色の保険証になります。一月一度は保険証の確認をさせていただいていますが、お仕事の都合などで保険証が 変わる方は、なるべくお早めに申し出て下さいね。

2010年7月7日
投票所"
期日前投票に行って来ました。前回の参院選に比べ期日前投票をする人が2パーセント増えていると 5日の新聞報道にありましたが、今回の選挙では消費税や社会保障といった生活に密着している問題が争点になっていることから投票率も 前回と同じか、それ以上になると思います。私は職業柄、社会保障に関心があり「持続可能な社会保障のプラン」という観点から一票を投じました。

2010年7月12日
缶入りサイダー"
私は自動販売機で飲み物を買うことはほとんどありませんが、郵便局の帰りにのどが渇いて、 うちの近所の自動販売機を見ると、仮面サイダー、ウルトラコーラというのが目にとまり、ネーミングの面白さに思わず買ってしまいました。 あはは。それにしてもこのネーミング、笑ってしまいますよね。そこで私も考えてみました。マンゴージュースでマリリンマンゴー。 バーボンウィスキーでバカーボン。ウィスキーの水割りでスコッチ愛してながーく愛して。ゼリー飲料で魔法使いゼリーちゃんってのはどうでしょう。 あはは。

2010年7月17日
懇親会の写真"
済生会新潟第二病院ロービジョン研究会に参加しました。ロービジョン学というのは医学だけではなく、工学、人間科学、 教育学などの知見を総動員する学際学です。簡単に言えば、それぞれの立ち位置から見える景色を持ち寄って、問題の解決を図るという手法です。 今回も医学の分野からは遺伝子治療の最前線の話、福祉人間工学の分野からは新潟市における新潟大学の障害者向けITサポートセンターの 取り組みなど、興味深い演題がありました。写真は研究会の後の懇親会の写真です。

2010年7月23日
今のあなたで大丈夫"
香山リカさんの「今のあたなで大丈夫!」という本を読みました。腰帯に「私の告白的65点主義のすすめ」とあり、 現代を生きる女性を対象読者としているようです。今の世の中、「夢を持とう」とか「笑顔で前向き」とか、とかくポジティブなことばかりが 賞賛されて、そうでない人はダメ人間みたいな雰囲気があり、息苦しさを感じている人はいないでしょうか?私もダメ人間の代表として、 この本を読んで、なんだか気持ちが少しだけ軽くなりました。

2010年7月28日
ジェネリック医薬品希望カード"
みなさんはジェネリック医薬品をご存知でしょうか? お医者さんで処方されるお薬(医療用医薬品)には、同じ成分、同じ効き目でも、値段の高いお薬と安いお薬があります。高い方のお薬は 「新薬(先発医薬品)」と呼ばれ、安い方のお薬は「ジェネリック医薬品(後発医薬品)」と呼ばれています。勿論、お薬としての効果に違いは ありません。新薬は、最初に開発、発売されるお薬で、開発メーカーは特許期間中、独占的に製造、販売することができます。その特許期間が満了した 後に、厚生労働省の承認のもとに発売されるお薬がジェネリック医薬品です。開発期間が短く、開発コストも大幅に抑えられるため、価格が新薬の 約2割〜7割に設定されています。つまり、ジェネリック医薬品は、患者さんのお薬代の負担を軽くするお薬です。
みなさんのお手元にも写真に示したようなジェネリック医薬品希望カードが、加入されている社会保険の保険者さんから届いていると思いますので、 医療機関を受診される時には、これをお持ちになって担当の先生に見せるか、または、薬局に処方箋と共に出して下さい。

2010年8月1日
LOVEちゃん"
うちの診療室の玄関は夏になると暑くて、花を置いても長持ちしないので夏は何も置かなかったのですが、 なんだか淋しいので、「お大事に」と書いた紙の前に、ラブちゃんというウサギの人形を置いて、マンガの吹き出しのようにラブちゃんが しゃべっているようにしてみました。何もないよりマシでしょ(笑)

2010年8月2日
SONYネットブック"
長年使ってきたIBMのノートパソコンの後継に、SONYのネットブックを購入しました。このマシンの特徴は第一に 軽いこと。わずか800グラム程度しかありません。第二に補助記憶装置がSSDであること。ハードディスクの代わりのSSDは動作が速く、 動く部品がないので電力を節約でき、バッテリーのみで長時間の使用を可能にしています。第三はキーボードが英字配列であること。アイソレーションタイプのキーボードはキーが独立していて B5サイズでもそれほど打ちにくいとは感じません。当然、日本語キーボードに比べキーの数は少なく、キートップには英字しか印刷されて いませんが、ローマ字入力しかしないのであれば問題ありません。そして最大の特徴はネットブックは価格が安いこと。デュアルコアCPUの時代にネットブックに使われる シングルコアCPUは性能的にはかなり劣るものの安価で、PowerPointViewer、TextEditorくらいが主な用途なら、 OSの動作を軽くしてやることで問題なく使えます。

2010年8月5日
ぶっかけうどん"
今日のお昼ご飯は長岡駅のエキナカにあるうどん屋さん「たもん庵」の「ぶっかけうどん」でした。ここのお店は基本的なメニュー に、エビ天やイカ天、コロッケなど、好きなものをトッピングして食べるスタイルで、今日はぶっかけうどんにエビ天のトッピングにしてみました。 ぶっかけうどん330円にエビ天150円で合計480円です。会計はモバイルSuicaが使えるので便利です。

2010年8月7日
スライド"
長岡市民センターにおいて開催された、市民公開講座に参加しました。今回の演題は長岡市医師会副会長で内科医の 長尾政之助先生による「介護と認知症」で、私は今回もスライド係での参加となりました。認知症の病態と介護のポイントを、一般の人にもユーモアを 交えて分かりやすく説明されるとともに、長岡市医師会の認知症に対する取り組みも紹介していただきました。今回の講座で印象に残ったのは 「介護は薬である」という長尾先生の考え方です。講演のあとの質疑応答では「アルツハイマー型認知症は遺伝するのでしょうか?」なんていう 質問まで飛び出し、長尾先生の人柄もあってか、和やかな公開講座になりました。

2010年8月8日
ステージ上のグランドピアノ"
新潟県自殺対策事業、中越大震災被災地における心の健康づくり事業として、長岡リリックホールにおいて開催された、「いやしの音楽と講演会」に行って来ました。 第一部はコンサートで、ピアノ、フルート、ボーカルの3人編成のバンド、エターナルMによる演奏、第二部はタレントで内科医の、おおたわ史絵さんの講演会でした。
エターナルMはこの日、フルートのメンバーが急に入院してしまい、ピアノとボーカルだけでの演奏でしたが、オリジナルを含め7曲を演奏しました。普段は会社員をしながら週末に音楽活動をしているバンドで、CDも発売しているということなので、インディーズということになると思います。ピアノとボーカルという構成なら、自殺対策事業としてのイベントなので、私はX−JAPANのTearsを演奏してほしかったです。TearsはYOSHIKIが自ら命を絶った父親のために書いた曲です。
第二部の講演会の講師は「おおたわ史絵」さんで、雑誌やテレビでも活躍しているタレントドクターとして有名ですね。私は実物を拝見するのは今回が初めてで、司会者から紹介され、ステージに現れたおおたわさんを見て思わず息をのみました。タレントとはいえ、お医者さんの講演会ですからスーツ姿だろうと想像していたのに、見事に私の予想を超え、なんとピンクのロングドレス!!それもウエストが絞ってあって、ショッキングピンクのフリルが裾まで入っているという、もう、しゃべる前から「つかみはバッチリ」状態。
はたして、おおたわさんの講演「こころとからだのカルテ」は始り、うつになりやすい人、うつとはどんな状態か、うつになった人を見分ける簡単な方法、うつになった人を支える方法など、簡単なテストを聴衆にやらせたり、雑談を交えながら聴衆を飽きさせず、伝えたいメッセージはしっかり伝える技術はさすがでした。

2010年8月10日
女は男の指を見るの本"
竹内久美子さんの「女は男の指を見る」という本を読みました。竹内さんは動物行動学、進化論が専門で、 これまでもその専門性を生かした本を何冊も書かれており、今回のタイトルはその集大成、エッセンスがつまっているという感じです。私は、 これまで竹内さんの著書を数冊か読んでいますが、遺伝子学や免疫学、統計学などを駆使し、生命の目的を理路整然と説明されるという内容は、 どの著書にも共通しています。
さて、タイトルにある指の話です。まず人差し指の長さを計ります。同じように薬指の長さを計ります。次に人差し指の長さを薬指の長さで 割り算をして下さい。この値が低い方が、つまり、人差し指が長い方が女性にモテるというのです。ちなみに日本人の平均値は0.95です。 注意点としては必ず右手の手のひら側で計ること。薬指はシワが二本ありますが、手のひら側のシワで計ること。まぁ、学術的なことはともかく、 覚えておけば雑談ネタくらいにはなると思いますよ。あはは。

2010年8月19日
ナポリタン"
今日のお昼ごはんは、長岡駅前のリベロさんの「パスタランチ」でした。パスタは日替わりで今日はナポリタン。 ガーリックトースト、サラダ、コーンポタージュ、アイスコーヒーがついて860円ナリ。パスタといえば、スプーンの内側でパスタをフォークに クルクル巻いて食べるのがマナーのように思っていましたが、イタリアではそんな食べ方をするのは子供くらいで、オトナはフォークだけで食べる ことを知って、なーんだと思ったことがありました。
また、似たような話で、洋食を食べるときのご飯の食べ方。みなさん、フォークの背中にナイフを 使ってご飯を乗せて食べていませんか。実はアレもインチキマナーのようです。食べにくかったら箸をもらうのがスマートで、ドレスコードのある お店でも箸をもらう方が、レストランを使い慣れていると思われるそうです。

2010年8月28日
誰にとっても見やすいホームページをコンセプトのひとつとして、このホームページを作りましたが、 富士通株式会社から無料配布されている、WebInspector 5.11というHTMLやCSSファイルのアクセシビリティをチェックするソフトでチェックした ところ、いくつかの問題点が見つかったので修正しました。
WebInspectorはJIS規格および富士通ウェブアクセシビリティ指針に基づいて、ホームページのアクセシビリティをチェックするソフトで、主に高齢者、障害のある人がウェブコンテンツを 利用するときに配慮すべき事項が守られているかどうかをチェックします。
白山接骨院ホームページでは、ナビゲーション部分のコントラストが足りず、視覚障害者の利用に問題があったほか、ノースクリプト処理、 言語ランゲージの指定など、修正が必要と診断されました。

2010年9月1日
人間の条件、そんなものない"
立岩真也さんの「人間の条件、そんなものない」を読みました。立岩さんは新潟県佐渡市の出身。現在は立命館大学大学 院教授で専門は社会学です。立岩さんの著書は過去に数冊読んでいますが、内容に強い興味を持つ人以外は、最初の数ページ読んだだけで難解な文章に イヤになってしまうだろうと思います。その立岩さんが中学生向けに書いたと聞いてさっそく取り寄せたのが本書です。中学生向けに書いたのなら、 少しは分かりやすい表現をしているのかと思いきや、やっぱり難解でした。(笑)
現代社会におけるルールや価値観が常に正しいとする理由はどこにも無いことを社会科学的に考えていくという内容は、中学生より高校生に読んで 欲しいと思いました。あることができる、できないという人の分け方。私たちが小学生の時から当たり前にしている能力主義は、本当に正しいのか? できる人は価値があり、できない人は価値が無いのか?24時間テレビに募金するのもいいですが、そのお金で本書をぜひ読んでみて下さい。尚、 この本は視覚に障害があり”読むことができない”人のためにテキストデータを用意してあります。必要な方は直接、立岩さんに連絡してほしい ということです。

2010年9月5日
アイスカフェモカ"
今日の長岡の最高気温は35.1度。9月に入ったというのに猛暑日となりました。気象予報士が科学的な説明を いくらしても、聞いているこっちは、だって、もう9月じゃないか!と思ってしまう。これって医者と患者の関係に似ていますよね(笑)
こんな日はやっぱり冷たいものが欲しくなり、郵便局の帰りにドトールでアイスカフェモカを注文しました。午後2時のドトールは避暑の お客さんで満員でした。

2010年9月8日
偽善の医療の本"
「偽善の医療」という本を読みました。著者の里美清一さんは現役の呼吸器内科(専門は肺癌)のお医者さんです。 本書には現在の医療のあり方、特に医師と患者の関係のあり方に、疑問というよりは怒りにも似た、お医者さんの本音がつまっています。医師と 患者の関係は、この20年間で随分変わってきていて、特にインフォームドコンセントという概念が日本に入ってきてから、その変化がさらに 大きくなったと感じます。インフォームドコンセントとは、知らされた上での同意という意味で、どういう医療を受けるのかは、最終的に患者さんが 自分で決めるということです。
里美先生はインフォームドコンセントのような倫理より、人情を大切にすべきであるといいます。私はインフォームドコンセントは必要であると 思うけれど、同意ではなく合意であってほしいと思います。

2010年9月11日、土曜日
心の傷は言ったもん勝ち"
「心の傷は言ったもん勝ち」という本を読みました。著者の中嶋聡さんは精神科クリニックを開業されている現役の 精神科医です。中嶋さんはイジメ、セクハラ、アサショウリュウ問題、理不尽な医療訴訟問題などを通して、被害者、あるいは患者の主観のみで 問題の全体像を考えてしまうところに、過剰な被害者意識が生まれ、それが社会構造化してしまっている現代社会の危うさを指摘します。確かに、 セクハラされたと感じたら、そこにはセクハラがあった。なんていう理屈は間違っています。でも、医療に関しては患者の主観を尊重する必要が ありますから、なかなか難しい。それでも中嶋先生は患者の求める休業証明を書くことを断ることもあるといいます。
精神科の先生といえば、香山リカさんを思い浮かべる方も多いと思いますが、彼女の著書の中に「なぜ日本人は劣化したか」という本があります。 精神科の診療を通して現在の日本が抱える社会病理を鋭くえぐっていくという点で、香山さんと中嶋さんには共通したものを感じました。

2010年9月12日、日曜日
ル・レクチェサイダー"
長岡は朝から大雨で、少しは涼しくなるのかと思いきや、梅雨時のジトッとした肌にまとわりつくような暑さでした。 写真は長岡駅の売店で発見したル・レクチェサイダー。味はル・レクチェの香りがして美味しいのですが、私的にはもう少し炭酸控えめのほうが、 ル・レクチェのさわやかな甘さを表現できたのではと思います。新潟限定商品のようですが、220円はちょっと高いかな。

2010年9月14日、火曜日
冬のいた場所"
久しぶりに小説を読みました。タイトルは「冬のいた場所」作者は新潟県在住の外川奈佳子さん。新潟県中越地方の 古い町並みにある下宿屋を舞台に、叙事詩的な表現で語られる新潟県の冬の姿。互いに淡い思いを抱いたまま、そこから旅立ち、30年の時を経て 再び、そこに帰ってめぐり合う男と女。物語全編を通して流れるシャンソンのメロディ。腰帯に書かれている「大人の純愛小説」と呼ぶには「ほわん」 とし過ぎて、いささか物足りないと思いましたが、人生の折り返し点を過ぎた者の胸の奥にある、セピア色のドアをそっと開けて くれる、そんな物語でした。

2010年9月16日、木曜日
テレビの大罪"
和田秀樹さんの「テレビの大罪」を読みました。和田さんといえば精神科医で、進学塾も主宰されており、 東大合格請負人として有名ですね。
インターネットが普及した現在でも、市民の情報ソースとしてテレビはダントツな存在です。そのテレビのあり方を批判した本書は、 メディア論でよく語られるテレビ批判の域をでるものではなく、エビデンス主義を自認する和田さんの著書としては少し深さに欠けていたと思います。 ただ、医療過誤事件で本来は民事として取り扱われるべきものが、マスコミの影響で刑事事件になっていくのではないかというくだりは 考えさせられました。
最近、テレビによく登場する政治評論家と称する人たちが、官邸からお金をもらっていた事が明るみに出ましたが、一部の週刊誌を除いて、 どのメディアもこの問題を追及していません。テレビに良心があるのなら、この問題は追及すべきだと思います。

2010年9月25日、土曜日
東京大学"
東京大学駒場キャンパス、数理科学研究科大講義室において開催された障害学会第7回大会に参加しました。 今回はイギリスのリーズ大学教授コリンバーンズさんを招待講師に迎え、障害学の根源的な役割を再認識できた非常に有意義な学会でした。
障害学、DisabilityStudiesとは、ものすごく簡単に言うと、障害のある人と社会の関係性を探求していく学問です。なので、 私と同世代でリハビリテーション学を学んだ人なら思い出すであろう、障害のある人の障害そのものを研究する上田敏先生の障害学とは別物です。
政権が代わり、障害者自立支援法の撤廃とともに障害者政策の新しい枠組みを創っていこうという段階で、障害学の果たす役割は大きいと思います。 それを示すように今学会にはシンポジストとして内閣府からの参加者がありました。
ところで、東大駒場キャンパスは雑木が沢山植えられていますが、なんとセミが鳴いていました。もうすぐ10月というのに。

Internet Explorer 8.0以降でご覧ください。