2013年1月、2月、3月分の日記です。
2013年1月3日、木曜日
大便通の本"
農学博士で微生物分類学がご専門の辨野義己(べんのよしみ)さんの著書「大便通」を読みました。辨野さんは腸内細菌の研究で有名になり、マスコミにも随分取り上げられたので、ご存知の方も多いと思います。
本書は、大便の3分の1が実は細菌であり、腸内細菌は大腸がんのみならず、乳がん、認知症まで関わりがあることなど、大腸、大便、腸内細菌についての興味深い話が満載で、大便が健康状態を雄弁に語ることが楽しく解説されています。
私が学生の頃は、細菌を培養するための培地を作ることや、試験管に被せる綿球の作り方から習い、実験器具の使い方、実験手技と進み、顕微鏡を使って点描するという、コッホの時代と変わらないことをやった経験があるので、辨野さんがホールピペットで他人の大便を吸い込んでしまったエピソードは笑えました。
そんな細菌学も従来の培養による研究方法から、分子生物学的な遺伝子解析を使った研究方法へと変わり、個人の腸内細菌の構成は6時間ほどで分かるのだそうです。予防医学のカギを握るのも大便ということでしょうか。
自分が便器に落としたものと、じっくり対面することの大切さを改めて思いました。

2013年1月9日、水曜日
みなさんご存知の特定健康診査、いわゆるメタボ健診で得られた膨大なデータを利用した、日本人における心筋梗塞、脳卒中の危険因子を明らかにした研究結果が、2012年10月に発表されました。
この研究によると脳卒中を発症する危険因子は年齢、血圧値であり、心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患の発症に関連するのは、男性であること、年齢、血圧値、HDLコレステロール値、喫煙であることが分かりました。また、心筋梗塞や脳卒中の発症にLDLコレステロール、中性脂肪は、関連がないわけではないけれども、他の因子ほど関連のある危険因子ではないようです。
最近、コレステロールエステルトランスファープロテイン抑制剤(CETP)という、HDLコレステロールを上昇させる薬が注目されていましたが、効果がないことが明らかになり、従来の運動療法がHDLコレステロールを上昇させる唯一の治療法となっています。
私は年に数回献血をしていますが、血糖の状態を知る項目としてグリコアルブミン(GA)が追加されたように、HDLコレステロールも追加して欲しいと思います。

2013年1月13日、日曜日
ポリエチレン製のカンジキ"
今シーズン初の雪下ろしをやりました。標準語では「雪下ろし」ですが、長岡では「雪掘り」と表現します。昨年12月9日に根雪が降ってから雨やミゾレの日も多く、積もっている高さは1m20cmくらいでしたが水分の多い重い雪でした。おまけに朝から小雨が降っており足元も滑りやすく、いつもにも増して怖かったです。
私の作業は、まず、屋根の周囲の雪庇をスコップで落とし、安全に立っていられるスペースを確保するために屋根をぐるりと一周します。目の見えない人が駅のプラットホームを白杖で歩く時の恐怖感とは、こんな感じなのかと思いをはせながらの作業です。次にスノーダンプで少しずつ雪を掘り、屋根の端から落としていきます。時間はかかりますが、死なないための工夫です。
写真は近所のホームセンターで売っていた”プラスチックかんじき雪っこちゃん、1,980円”です。底面にゴムスパイクがついて滑りづらいというのがウリの商品です。なんとなくサイバーな感じでカッコイイので買いました。辛い作業も楽しいアイテムで多少は気がまぎれます。(笑)

2013年1月21日、月曜日
しっとりチョコケーキパフェ"
写真は現在セブンイレブンで販売している、しっとりチョコケーキパフェ、290円です。コンビニスイーツにしては高いかなと思いましたが、チョコレートパフェを愛する私としては、チョコケーキパフェというネーミングは、買わずにはいられませんでした(笑)
粉雪のようなパウダーシュガーをまとった、やわらかく大きなガトーショコラが印象的で、わきを飾るチョコクリームと、ナッツとチョコソースがトッピングされた生クリームはまさにパフェでした。
というわけでとっても美味しかったのですが、カロリーはなんと395キロカロリー。うーむ。

2013年1月26日、土曜日
55歳からのハローライフの本"
村上龍さんの小説「55歳からのハローライフ」を読みました。
新潟日報をはじめ数社の新聞小説として書かれた中篇小説の作品集で、結婚相談所、空を飛ぶ夢をもう一度、キャンピングカー、ペットロス、トラベルヘルパーの5編が収録されています。
定年退職し、家でテレビばかり見ている夫と400万円の慰謝料で離婚し、食品の試食販売で月15万円の収入を得ながら結婚相談所に通う50代の女性。出版社をリストラされ、ホームレスへの転落を真剣に悩む中年男性など、55歳からの再出発をテーマに中高年のリアルが冷徹なまでに細かく描かれています。
確実に落ちていく容貌や体力という現実の中で、家族や友人、お金のない人は辛いという作者の問題意識に共感しました。けれど、そこにも希望がないわけではないという作者のメッセージには勇気付けられました。
2013年1月20日にNHKスペシャルで放送された「終(つい)の住処(すみか)はどこに。老人漂流社会」は同番組で2010年1月に放送された「無縁社会、無縁死、3万2千人の衝撃」の続編的な内容で、ひとりでは暮らせなくなった高齢者が、医療施設にも介護施設にも短期間しか入れず、行き場を失って居場所を転々としているというレポートでした。未来は現在の中にあることを考えると、番組をご覧になった御同輩の中には、将来の自分の姿と重ね合わせて、画面に見入ってしまった方も多かったのではないでしょうか。
人生も折り返し地点を過ぎ、これからをどう生きるか。社会的な希望はないように思えても、個人的な希望がないわけではない。「55歳からのハローライフ」を読んで少し元気になれました。

2013年1月31日、木曜日
般若心経のテキスト"
毎週水曜日の夜11時からNHK教育テレビで放送されている番組「100分de名著」。2013年1月放送分で取り上げられた名著は「般若心経」でした。
私は信仰する宗教はありませんが、うちの菩提寺は禅宗(曹洞宗)で、良寛さまが同じ曹洞宗の禅僧であったことくらいは知っていたし、般若心経も色即是空も、言葉として知ってはいました。
番組では、釈迦の仏教と大乗仏教の違いという観点から般若心経を読み解き、中心的な思想である空や無について解説し、般若心経の本質に迫りました。
番組を視聴しテキストを読み終えての感想は、仏教の概要と般若心経が生まれた背景は理解できたけれども、空と無の思想を理解することが救いにつながることが分からず、般若心経の本質は分からなかったというのが正直なところです。ただ、思うのは般若心経は理解するものではなく、体得するものではないかということです。 私は弱い弱い人間ですから、般若心経により救われたい。心からそう思います。

2013年2月6日、水曜日
楽々アイロン術のテキスト"
月曜日から木曜日の毎日、午後9時55分から10時までの5分間、NHK教育テレビで「まる得マガジン」という番組を放送しています。2012年12月と2013年1月は「楽々アイロン術」と称して、アイロンのかけ方を教えてくれるシリーズでした。
私は小中学校で女子と一緒に家庭科授業を受けた世代であり、学生時代から掃除洗濯はすべて自分でやっています。今の時代、男性が家事や育児をするなんて当たり前。なので、アイロンだって使えて当然です。とはいうものの、今までアイロンのかけ方を正式に習ったことはなく我流だったので、これはいい機会とテキストも購入して勉強しました。
講師のやることはさすがに理にかなっていて、アイロンのかけ方のみならず、洋服のたたみ方まで解説がありましたが、なかなか講師と同じようにはできません。(笑)

2013年2月10日、日曜日
映画「東京家族」のチラシ"
山田洋次監督作品、映画「東京家族」を観ました。 この作品は巨匠、小津安二郎監督の「東京物語」に山田洋次さんが敬意をささげ、舞台を現代に移しリメイクした家族の物語で、老夫婦と子どもたちの姿を通じて家族の絆と喪失、夫婦や親子、老いや死についての問いかけが描かれています。
瀬戸内海の小島から上京してきた老夫婦と、東京でそれぞれに暮らす3人の子どもたち。長男は開業医、長女は美容院経営、次男は舞台の大道具を担当するフリーターという、生活のリズムが違う家族が再会することで生まれる絆が、時に愛おしく時にはかなく胸にせまってきました。
小津さんが1953年に「東京物語」で示唆した通り、現代は核家族化が進み「無縁社会」の形成へとつながってきました。誰しもが孤独に怯える時に、家族は希望となりえるのか。家族にしか希望はないのか。すべての年代の方におすすめの作品です。

2013年2月17日、日曜日
総合病院の玄関"
昨年暮れに救急搬送され、そのまま入院している友人のお見舞いに行ってきました。
病状については家族の方からお聞きした範囲では、中枢性の重い神経障害だと想像でき、そうであるなら家族以外には、まだまだ会いたくない時期だろうと思えたので、心配ながらも面会は控えていました。
それが16日の夜に入院している本人からケータイメールが届き、会いに行っても大丈夫かと返信したところ、待っているという返事に、彼が好きな缶コーヒーを持って出かけました。
こういう時にどう言葉をかけていいか、不惑の年をとうに過ぎても尚、そんなことに悩む自分を情けなく思いながら病室に入ると、両手足に麻痺があるものの、言葉は元気で顔色もいい、 いつもの彼が窓際のベッドに横になっていました。しばらくすると彼の奥さんと、奥さんのご兄弟もみえて、やはり家族、特に奥さんの献身は彼にとって大きな支えになっていることを感じました。
彼は同い年の古い友人で、建築業を営んでおり、2011年暮れの診療室の改築工事は全て彼の仕事でした。そういう付き合いですから、来月の娘さんの誕生日には家に帰ってハンバーグを作ってあげたいという彼の言葉に泣きそうになりました。早く元気になって退院してくれることを願うばかりです。

2013年2月23日、土曜日
EPA(イコサペント酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)には動脈硬化の予防効果がないという結論の論文が2012年に発表されています。
Association between omega-3 fatty acid supplementation and risk of major cardiovascular disease events: a systematic review and meta-analysis JAMA. 2012 Sep 12;308(10):1024-33.
EPAやDHAの摂取により心筋梗塞や脳梗塞が減るのかを調べる研究は世界中で多くなされていて、この論文は、それらの研究をまとめて解析した結果で、エビデンスレベルの高い研究結果です。
EPA(イコサペント酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)は医薬品だけではなくサプリメントとしても売られていますが、こういった研究は消費者の利益になるはずなのに、あまり報道されないのはなぜなのかと思います。

2013年3月1日 金曜日
マザーボード"
10年ぶりにマシンを新しく組みました。ハードウェア構成は以下の通りで、OSはWindows8 64-bitです。
CPU:Intel社 Corei5 3570K
マザーボード:AsRock社 Z77Pro4-M
GPU:GeForce GTX650
メモリ:DDR3 1600 16GB
ストレージ:SSD 128GB HD 2TB
BDドライブ:アイ・オー・データ機器 BRD-S14X
電源:SilverStone社 500W
ケース:SilverStone社 ミニタワーケース
K品番のCPUとZ77チップセットの組み合わせですから、当然オーバークロックが前提ですが、今回はミニタワーケースを使っているので、CPUの冷却を考えてCPUファンを写真のサイドフロータイプにしました。マザーボードをケースに取り付けたときにケース前面の吸気ファンとCPUファンが同一線上にくるようにすることで高いエアフロー効果をねらっています。
ケースメーカーが公表しているデータによると、場合によっては吸気ファンとサイドフローヒートシンクのみでも十分なCPUの冷却効果が得られるようですが、怖いので回転数をコントロールすることにしてフィンは付けました。
そういうわけで、とりあえず正常に起動することを確認、最新のBIOSやドライバをダウンロード、OSをインストールして基本的な環境はできましたが、実際に使える環境ができるまでには、まだ時間がかかりそうです。64-bitのOSなのでRAMディスクを応用することも試してみたいと考えています。

2013年3月3日 日曜日
膝関節手術の様子"
新潟市において開催された理学療法研修会に参加しました。今回は変形性膝関節症の治療とリハビリテーションの最先端を学ぶ、実技も含め5時間の講義でした。
今回の講義では、運動療法に入る前のアプローチとして普遍的な手技であるモビリゼーション、スタビリゼーション、ストレッチなどの基礎的な手技の確認と、薬が原因で起こるリスクについて学べたのが収穫でした。また、手術については人工関節をより正確に設置するために開発されたナビゲーション手術やロボット手術の概要について講義がありましたが、医療と工学、ITが連携した最先端の技術の進歩には目を見張るものがありました。

2013年3月10日 日曜日
映画すーちゃんまいちゃんさわこさんのチラシ"
映画「すーちゃん まいちゃん さわ子さん」を観ました。原作は漫画家でエッセイストの益田ミリさんの4コマ漫画「すーちゃん」シリーズで、御法川修監督作品です。
それぞれの人生を歩いてきた女性たちが、ふと、立ち止まった時によぎる、年齢、結婚、妊娠、仕事や貯金、親の介護問題など尽きることがない悩み。自分が選んだ人生は間違いだったのではないかという不安とどう向き合うか。
この作品は、すーちゃん、まいちゃん、さわ子さんの仲良しアラフォー女性3人組みが、それぞれの日々の暮らしの中で傷ついたり、迷ったりしながらも“ちょこっと”の幸せを見つけ、プラス思考で今を生きていこうとする姿を暖かく描いた人間ドラマに仕上がっています。
彼女たちの様々なシーンにちりばめられた、セリフとは別のこころの声には、あるある!という笑いと共感が聞こえてきそうだったし、リストラされた妻子持ちのアラフォー男性の女々しさを叱責するすーちゃんのセリフには拍手喝采する女性も多いのではないかと思いました。
最悪と思える状況の中にも肯定的な要素を見つけて、未来につなげていくことが大切なことなのかも知れません。

2013年3月14日 木曜日
CPUクーラー"
写真はLGA1155ソケットに対応した新品未使用のインテル純正CPUクーラーです。PWM制御に対応していますからコネクタは4ピンです。 欲しい方がおられましたら、引き取りに来られる方に限り、無料で差し上げます。

2013年3月16日 土曜日
町内総会資料"
私の住む白山団地は、1970年代にJR信越線来迎寺駅の北側に広がる水田を埋め立てて造成された住宅団地です。来迎寺駅に近い1丁目から県道沿いに東に向かって2丁目から3丁目、白山神社をはさんで4丁目から6丁目、本条地区の7町内からなり、私の住む5丁目は住宅約120戸、アパート9棟があります。
40年前に、この地に家を建て、子供を育んだ世代が高齢になり、若い世代とは同居しない世帯が急増し、孤独死や空き家問題が顕在化しつつあります。こういった問題に対して地域はどう対応していくのか。大きな課題を抱えながら平成25年度白山5丁目町内総会が開催されました。
5丁目は6つの班があり、今回は約50名の出席がありました。私は監査役を拝命していますが、優秀な役員さんのお陰で出る幕などあろうはずもなく、粛々と進行して終了となりました。 私は監査認定書に署名捺印しているわけですから異論などないのですが、個人的には毎年ちょっと気にしていることがあります。 会計については一般会計と消雪組合会計、防災特別会計があり、一世帯あたりの年間負担額は、
町内会費:12,000円
消雪組合費:4,000円
募金:6,000円
合計:22,000円となっており、班でまとめて町内の会計さんが管理する口座に振り込むことになっています。
この中で募金が定額で徴収されていますが、本来は善意で任意の金額を募金するべきで、この方法だと高齢者のみの世帯や障害者世帯、ひとり親世帯も一律に同じ金額を負担することになります。 しかし、会計さんの手間を考えると他に方法もなく、悩ましいところです。募金をお願いする側は最低金額を指定しているところすらあり、このあたりの事情を知っているのか聞いてみたいものです。

2013年3月26日 火曜日
間抜けの構造の本"
ビートたけしの著書「間抜けの構造」を読みました。「間が悪い」「間に合う」「間抜け」「床の間」など「日本人が持つ「間」という不思議な感覚を、漫才や落語、映画やスポーツ、伝統文化や日常生活を通して考察した「たけし流日本人文化論」です。週刊誌のように読みやすい語り口調で書かれていることと、たけし一流の笑えるエピソードも満載で楽しく読めました。
本書を読んでいて思ったのは「間」とは、目に見えないし聞こえない、測定できるようなものでもない、けれど、空間に満たされるものであるなら、私たちが生きている世界には超越的な法則があり、それは不可知であるという、仏教でいう「空」の思想と似ているということです。また、2011年7月に朱鷺メッセで開催された「宇宙フェスタ」の新潟大学理学部のブースで知った、私たちが知っている物質宇宙は宇宙全体の5パーセントに過ぎないという最新物理学が示す事実も、この「空」の思想と合致するもののようにも思えます。
世間は世の間と書きます。私たち日本人が古来より持っている「間」という感覚はどこからきたのでしょうか。

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