2017年4月、5月、6月分の日記です。
2017年4月8日 土曜日
真昼の悪魔の表紙
遠藤周作さんの長編サスペンス「真昼の悪魔」を読みました。
この作品は今年の2月から3月にかけて土曜の夜に8回シリーズで放送されたドラマ「真昼の悪魔」の原作小説です。ドラマでは、自分の人格に疑問を持って苦しむ主人公の女性医師を田中麗奈さんが好演しました。
屈託がなく無邪気とさえ写る微笑の裏で、おぞましい悪を求める外科医、大河内葉子。どんな罪を犯しても罪悪感を感じない渇いた心で、背徳的な恋愛に身を委ねるその姿は、めだたぬ埃のように忍び込んだ悪魔にとりつかれた絶対悪のように見えます。でも、読み進めていくうち、善と悪はまったく違うように思えるけれども、どこかでつながっているし、オセロゲームのように簡単にひっくり返ってしまうこともあることに気付きます。
悪の本質とはなにかに迫った、クリスチャンの遠藤さんらしい作品でした。

2017年4月9日 日曜日
駅カフェのコーヒーマシン
コンビニのレギュラーコーヒーは100円で飲めて、しかも結構おいしいですが、駅の売店でもコンビニと同じようにドリップして淹れるコーヒーが売られています。こちらは80円。セブンイレブンのコーヒーに比べると少し苦みが強く、タリーズのコーヒーに近い味に感じます。私はセブンのコーヒーのほうが好みかなぁ。

2017年4月10日 月曜日
スーパーの割引カード
写真は近所のスーパーの割引カードです。
患者さんの中には、診察券と色味が似ているからか間違えてこのカードを出す方もいて、そんな時には「ごめんね。うちは5パーセント割引やってないんです(笑)」と答えます。
実はこのスーパー、お客さんが忘れたサイフの中を確認したら、おたくの診察券入っていたのでと、今まで何回か電話がありました。当然、個人情報は教えられないので、そんな時はうちから患者さんに連絡しますが、サイフを忘れてもちゃんと届くのは、地域の人たちのモラルの高さかなと思います。

2017年4月12日 水曜日
ニコンのコンパクトデジカメ
8年ほど前、5千円で買ったPENTAXのデジカメがとうとう壊れたので、Nikonのデジカメを購入しました。性能はそれほど求めないので、手軽さと価格が選択基準なんですが、Wi−Fi、Bluetoothが使えるということはファイルをパソコンに取り込むのが簡単でいいと思い、これに決めました。価格は税込1万円を少し切るくらいでした。
ところが、Wi−Fi、Bluetooth接続に関してはスマホ、タブレットだけで、パソコンにファイルを取り込むにはSDカード経由でしかできないことが判明しました。がっかりです。
今やITの中心はスマホ、タブレットなんですね。以前、獨協大学教授の深沢真紀さん、元外務省主任分析官の佐藤優さんが、それぞれ別なラジオ番組で、今時の大学生はパソコンを使わないとコメントしていました。
確かにゲームとSNSがメインで、ごく短い話し言葉を書くだけならスマホで十分だし、画像は撮ったらすぐにアップロードできるほうが便利なのかも知れませんが、だったらスマホのカメラで十分だと思うのですが。

2017年4月20日 木曜日
ワンダーコア
写真は剛力彩芽さんがCMをやっている健康器具「ワンダーコア」です。
深夜のテレビショッピング番組でリハビリテーション専門医が解説をやっているのを見て気になっていました。それが長岡市内のスポーツショップで色は選べない、外箱が無いという条件はあったものの、テレビショッピングよりも3千円安い7千円で売られており、即決で購入しました。
この器具はスプリングの力で体重を支えながら腹筋運動ができるのが特徴で、運動習慣がなく筋力の弱い女性や、私のような中高年男性でも腰や頚にかかる負担を軽減しながら安全に運動できます。実際使ってみると腹筋全体に適度な負荷を感じました。筋力をつけて腹圧を高め、結果として腰痛予防に効果があると考えられます。
ただ、この器具で相当に頑張ってもカロリー消費量はそれほどないと思いますので、ダイエット効果は期待しないほうがいいでしょう。ダイエットはまず食事からですね(笑)

2017年4月28日 金曜日
小説リバースの表紙
現在、地上波で放送されているドラマ「リバース」の原作、湊かなえ著「リバース」を読みました。
キャラクターそれぞれの性格や繊細な心理描写が、緻密なストーリー展開と重なった湊ワールドは、最後の1ページで「リバース」の意味がわかり、思わず「そうきたか!」と唸りました。何気ない伏線を見抜く人もいるのかも知れませんが、私は気持ちよくハマりました。でも、これこそミステリー小説の楽しみ方でしょう(笑)
湊さんの作品を読んでいると、キャラクターがもつ屈折した部分に共感して、物語の世界に引きづり込まれていく感覚があって、本作でいえば主人公の深瀬が本心では他者と親密な関係を作りたいと願っていながら、臆病な性格から自ら周囲に壁を作ってしまうところなど、自分と重ねてしまう人は多いのではないかと思います。
本作ではコーヒーが重要なアイテムになっていますが、ぜひ、美味しいコーヒーを飲みながら、湊かなえの世界を旅してみてはどうでしょうか。

2017年4月30日 日曜日
ティオペペのパエリア
今年も音楽の祭典ラフォルジュルネ新潟を鑑賞しました。
会場のりゅーとぴあには何度も足を運んでいますが能楽堂は初で、舞台へと続く橋掛かりのすぐ脇、前から3列目だったので演奏者との距離が近く息づかいまで聴こえ、楽器で歌うということの意味が分かった気がしました。
プログラムは弦楽四重奏とハープによる、ドビュッシーの神聖な舞曲と世俗的な舞曲。トゥルニエの妖精の国。カプレの幻想的な物語の3曲で、3曲目のカプレの幻想的な物語は、エドガー・アラン・ポーの小説「赤死病の仮面」がモチーフになっており、演奏の前にハープ奏者のシルヴァンブラッセルがあらすじをフランス語で朗読しました。日本語訳のパンフレットをあらかじめ読んでいたので意味はわかりましたが、映画音楽がそうであるように、物語が音楽を生むのは必然のような気がします。
さて、ラフォルジュルネといえば屋台も楽しみの一つです。写真は東中通にあるティオペペさんのパエリアです。今回はこれにデザートのクレープまで食べて大満足でした。

2017年5月3日 水曜日
「猫と人の200年、アートになった猫たち」
新潟県立歴史博物館で開催されている春季企画展「猫と人の200年、アートになった猫たち」を鑑賞しました。
2015年から始まったネコブームは今だ冷めず、芸術や文化の分野までネコ関連の作品が注目を集め、書店に行くと写真集から小説まで猫関連の作品だけを集めたコーナーまであるくらいです。
今回の企画は奈良時代に日本に渡った猫が、人の暮らしに寄り添いながら生きて人に愛され、また人を癒すという関係性の中で、人が猫に対してどんな思いや想像をしてきたのか、時代の移り変わりを追いながら物語や絵画で観ていくという内容です。
私が魅かれるのは大正時代のもので、竹久夢二、藤田嗣治、水野年方らが個性的な猫を描いていて、特に夢二の美人画や戯画に登場する猫の柔らかさには魅了されます。ただ、黒猫よりもアメリカンショートヘアのほうが好きですが(笑)

2017年5月10日 水曜日
アレンジメントフラワー
長岡市では2017年4月より、介護保険の要支援1、要支援2の人に対するサービスのうち、介護予防訪問介護(ホームヘルプサービス)と介護予防通所介護(デイサービス)が、長岡市の事業として実施される介護予防、日常生活支援総合事業(総合事業)に移行されました。
総合事業を簡単に説明すると、介護保険の保険者である市町村が、地域の高齢者の実情に応じて、必要な生活支援や介護予防を総合的に行っていく事業のことで、厚労省がすすめている地域包括ケアシステムの生活支援、介護予防を担う部分になります。総合事業ではサービスの基準や単価等は市町村が定めるため、財政状況によりサービスの内容に地域差がでる可能性があります。
では、地域包括ケアシステムとは何かですが、今月の済生会新潟第二病院定例勉強会では同病院のソーシャルワーカーさんを講師に、新潟市と済生会新潟第二病院が実施している事業を参考にしながら地域包括ケアシステムの概要をザックリと勉強しました。
医療と福祉の垣根を超えた他職種連携では開業医が代表になっていくつもの交流会ができていることが紹介されましたが、そこに参加するケアマネージャーの目的が訪問診療を請け負って下さる開業医を探すことであるということに矛盾を感じました。
聴講者からは介護保険と障害者自立支援法の関係性に対する質問もあり、これは今年の障害学会でも主要なテーマの一つであったので、それなりに勉強していた知見を述べさせていただきました。
地域包括ケアシステム
地域包括支援センター
このネーミングからサービスの内容を想像できる市民はどれくらいいるでしょうか(笑)
社会保障とは生活に密着したものですから、第一に情報が正確に伝わることが必要だと思います。ならば、チイキホウカツシエンセンターよりも介護・認知症よろず相談所のほうが分かりやすくないでしょうか。
NHKスペシャルでシリーズ企画として放送されている「老人漂流社会」では制度の狭間で見捨てられていく高齢者の実態が浮き彫りにされていました。
政府は2025年までに地域包括ケアシステムが機能するようにしたいと言っていますが、ソーシャルワーカーさんの見解は「実現するかどうかは分からない」でした。待ったなしの状況で走りながら調整していくしかありませんが、自分に何ができるか考えながら、かかわりを持っていきたいと思います。

2017年5月14日 日曜日
映画「追憶」のポスター
降旗康男監督作品「追憶」を観ました。原作は青島武さんの同名小説です。
降籏さんの作品を観るのは2012年の「あなたへ」以来です。
本作はジャンルとしてはサスペンスになるのでしょうが、「幸せや幸福を捨てていく人の人間らしさ、悲しさ、美しさを描くのが映画である」という降旗さんらしい重厚な人間ドラマに仕上がっていました。
登場人物の心情と共鳴するようにスクリーンからあふれだす、痛いほどの吹雪、穏やかな春を告げる雪割草、夕凪の水平線に沈む夕陽など北陸の自然の美しい映像も、この作品の見どころだと思います。
時に人は「正しさ」を振り回し、気が付けば誰も幸せにしていない。そんなことって確かにあるような気がします。だから、正しいことを知った上で、優しいことを考えるべきではないのか。でも、それがために犠牲になる人がいたとしたら、どうするべきなのか。
ラストシーンで、まるで聖母マリアからすべての罪を許されたかのように、それまでの硬い表情から、安堵したかのように目を閉じる主人公の姿に、その答えが現れていたように思いました。
ぜひ、大切な人と観て、語らってほしい作品です。

2017年5月22日 月曜日
ビートたけし著「テレビじゃ言えない」の表紙
アメリカではトランプ大統領がメディアと対立していますが、メディアの大きな役割が権力の監視であることを考えると健全なことに思えます。ひるがえって日本はNHKの会長が「政府が右と言うものを、左と言うわけにはいかない」と政府広報的な役割であるかのような姿勢が問題になったり、民放でも現政権の意向を「忖度」するような番組ばかりになっているのではないかという批判もあり、メディアが機能不全を起こしていると指摘する文化人も少なくありません。そのひとりにビートたけしさんがいます。
彼の新刊「テレビじゃ言えない」は、そんなテレビのエスカレートする自主規制を彼一流の毒舌で痛烈に批判し、その背景にあるテレビとネットの関係性を指摘しています。
ネットでは相反する二つの意見があっても論争にはならず、多数派が少数派を袋叩きにするという構造になっており、それは匿名による集団リンチであって、そんなことに巻き込まれてスポンサーに迷惑をかけたくないテレビは臆病になるという図式です。たけしさんはネットは「バカが簡単にモノを言う社会」を作ってしまったと分析します。
ちょっと前に、表紙にカブトムシやアゲハチョウなど昆虫の写真が印刷してある小学生向けのノートを作っている会社が、ネットで気持ち悪いからやめてほしいといわれて、実際にやめてしまったという話がありました。どのくらいの人が「気持ち悪い」と思っているのか疑問でした。
5月19日午後、「共謀罪」の趣旨を含む組織的犯罪処罰法が、衆院法務委員会で採決の結果、賛成多数で可決されましたが、国民の関心が非常に高かったわりにはテレビ中継はありませんでした。やはり自主規制したのでしょうか(笑)

2017年5月28日 日曜日
映画「光」のチラシ
河瀬直美監督作品「光」を観ました。
本作は第70回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門出品作品です。
進行性の視覚障害があるカメラマンが、バリアフリー映画の音声ガイドを作成する女性と出会い、音声ガイド作成過程で衝突しながらも理解し合っていく姿を通して、失うことの悲しみや、それでも生きていく人々の希望とは何か、映画が人にもたらすものは何かに迫ったラブストーリーです。
映画の音声ガイドとは、登場人物の動作や情景を言葉で伝え、映画をバリアフリー化する仕事です。最近ではUDCast(ユーディーキャスト)という、スマートフォンやタブレット端末などに専用アプリをダウンロードして利用する言語バリアフリー化サービスも始まっていて、本作も対応しています。
本作を観てまず思ったのは、自分が視覚障害リハビリテーション分野についてある程度知っているせいか、まるでドキュメンタリーを見ているような感じがしました。見えない、見えにくいという障害(ロービジョン)と、それをかかえた主人公の心理的葛藤が実にリアルに表現されており、監督も役者もロービジョンについて相当に勉強されたことがうかがえ、それが作品全体に深さを与えていたと思います。
たとえ人生で、自分にとって大切なものをたくさん失ってしまっても、それでも、手をつないでくれる誰かと一緒なら、人はきっと前を向いて歩いていけるのではないか。素直にそう思わせてくれる作品でした。また、映画には戦争を止める力は無いけれど、個人の人生を豊かにする力はあると、本作を観て改めて思いました。
全編を通して流れる叙情的なピアノも印象的で、誰の演奏か調べてみましたが作品の公式ページにも記述がありません。サウンドトラックの発売を望みます。

2017年6月10日 土曜日
干渉波治療器
干渉電流型低周波治療システム「クレア」を入れ替え導入しました。
今まで使っていたものと同様に4極干渉に加えて8極干渉が使え、さらに多彩な治療が可能になりました。特に骨盤周囲や肩甲帯のモビリゼーションの必要時に事前に8極干渉波を用いて筋緊張を緩めておくとスムースに治療がすすむ印象があります。繊細でやわらかな刺激は患者さんにも好評です。
またプローブ電極によるモーターポイントへの刺激が可能なので治療の幅が広がりました。
ただ、治療時間に関してはこれまで同様20分間です。医療機器メーカーや臨床工学技士さんも指摘しますが物理療法は最低でも12分間、実質的な効果を期待するには20分間は必要です。

2017年6月20日 火曜日
プロ野球公式戦(BCリーグ)の観戦チケットをペアで先着1名様に差し上げます。ご希望の方は6月26日までにメールで申し込むか、直接当院まで受け取りに来て下さい。無くなり次第トップページに報告します。

対戦カード:新潟アルビレックスVS群馬ダイヤモンドペガサス
会場:長岡市悠久山球場
試合日時:2017年7月1日(土)午前11時半開場・午後1時試合開始
シート:内野自由席

2017年6月23日 金曜日
森絵都著「出会いなおし」の表紙
森絵都さんの短編集「出会いなおし」を読みました。
人とのつながりは一期一会のこともあれば、思いもかけない再会もあり、記憶の海に沈んでいたプロフィールの変貌ぶりにおどろいたり、共に過ごした過去に感じたよろこびや、悲しみが蘇ったり、時には、そこから新たな物語が始まることだってあり、そんな人生は素敵だと思います。
本作には、
・出会いなおし
・カブとセロリの塩昆布サラダ
・ママ
・むすびめ
・テールライト
・青空
の6つの再会の物語がつづられています。特に印象に残ったのは「テールライト」で、別れ際に、どうか相手に幸あれと、次にめぐり会う時にはまっすぐにあなたを愛せますようにと、強く信じあう男と女の物語。
なぜか目を真っ赤にした女性タクシー運転手と客の男。川を隔て一言も交わさずに想いだけを交わしていた男と女。それから闘牛場で相対した牛と闘牛士。そして「安全」をうたわれていた原子力施設と思われるプラントの職員とその愛妻。4つのエピソードはそれぞれに登場人物たちが念じる「どうか」の三文字で締めくくられています。明日もあなたが隣にいてくれることを当たり前みたいに思っていたけど、そうじゃなかった。どうか、また会えますように。どうか、幸せでいてくれますように。彼らは切実に、そればかりを祈ります。
人生はメリーゴーランド。夜の闇に溶けて消えたテールライトに祈る気持ちは大人になったから分かる。そんな気がします。

2017年6月27日 火曜日
玄関脇の看板
入口と玄関脇のサインボードをリフォームしました。開業以来になります。この機会にデザイン を変えようかとも思いましたが、このデザインは開業当時、近所に住んでいたMさんによるもので、彼は腎臓を病み残念ながら 若くして他界されてしまいました。形見というわけではありませんが、やはり大事にしたいと思い、デザインはそのままで中身だけLEDにしました。

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