2019年1月、2月、3月分の日記です。
2019年1月12日 土曜日
火のないところに煙は
腰帯の「おもしろすぎて、怖すぎて即完売!!」というコピーに惹かれて、芦沢央(あしざわよう)さんの短編集「火のないところに煙は」を読みました。
小説家である「私」のもとに持ち込まれた怪異現象が五つの物語としてつづられていく連作短編集で、これってドキュメンタリー?と感じずにはいられないリアルなストーリー展開が本当に怖かったです。まず、怪異現象自体が謎で、ミステリーの論理的な謎解きによってもたらされるどんでん返しに、「なるほど、そういうことか!」と謎が解けてスッキリし、結局、暗く湿った人の心が怪異を生み出すってことかと分かったような気分でいると、最後に理論的な説明がつかない、ホラーとしてのどんでん返しが待っているという、ミステリーとホラーがコラボしたような作品でした。

2019年1月18日 金曜日
半熟カレーせん
このところ食べ物ネタがありませんでしたが、久しぶりに「おっ!」と思う商品がありました。「半熟カレーせん」です。
カレー味のお菓子は沢山ありますが、この商品はしっとり感があるやわらかさが特徴で、ぬれせんべいは水分が多くて割れませんが、この商品はせんべいにカレーソースをかけたような感じで、表面がペタペタする感じがありますが割れます。
なぜ「半熟」なのか今一つ意味不明ですが、ぬれせんべいとは違う食感が斬新で、コクのあるカレー味は後を引きます。近所のスーパーで188円でした。

2019年1月26日 土曜日
絶滅の人類史
NHK総合で2014年放送の「病の起源」、2015年放送の「生命大躍進」、Eテレで2018年放送の「ダイアモンド博士のヒトの秘密」では、現生人類が誕生するまでの生物進化の歴史を医学、進化生物学、社会学それぞれの視点から論じており、立体的に進化とはどういうものなのかを知ることができました。
分子古生物学者の更科功さんは、700万年前にチンパンジーから枝分かれして始まった人類史は、私たち以外の人類(20種類以上は生存していた)にとっては絶滅の歴史であって、彼らは「優れていなかった」わけではなく、むしろ弱者であった私たちが、彼らのいいとこ取りをしながら生きのびて今に至っているのだと、著書「絶滅の人類史」で述べています。
化石の分析などエビデンスの積み重ねで分かってきた人類史は純粋に科学であるのだけれども、本書を読んでいると、私たち、ホモサピエンスが繁栄するまでの偶然と幸運の物語、ロマンとして感じてしまいます。
特に興味深かったのは、人類最大の特徴である直立二足歩行と牙(犬歯)の小型化で、一見まったく関係なさそうな両者が、実は出産育児という生物にとって最も大事な現象を介して密接に絡み合っていたことです。仏教では人は生まれながらに仏性を持っていると説きますが、牙が小さくなったのは争う必要がなくなったからです。しかし、私たちはどうでしょうか。
ダイアモンド博士は、私たちがほかの知的生命体に出会えないのは、出会う前に自ら滅んでしまうからだと述べていましたが、更科さんは私たちの脳はAIの出現などで小さくなっていくだろうと述べています。
私たちはこれからどんな進化の道を歩んでいくのでしょうか。

2019年1月27日 日曜日
映画「マスカレードホテル」のポスター
「人魚の眠る家」「ラプラスの魔女」「麒麟の翼」「祈りの幕が下りる時」「天空の蜂」いづれも東野圭吾さんのミステリー小説を映画化した作品です。小説と映画は全く別ジャンルで、小説の出来と映画の完成度は相関はないというのが持論ですが、今回観た「マスカレードホテル」はあまりいい出来ではないと感じました。
謎解きの面白さはありましたが、他の東野圭吾さん原作の作品と比べて人間の奥深い情念が感じられず、物語としての底が浅かったように思います。まぁ、それでも「ラプラスの魔女」よりはずっと良かったです。
エンドロールが終わって灯りがともると、明石家さんまさんがどのシーンで登場したかという話声があちこちから聞こえ、もう一つの謎解きがあったことを知りました。

2019年2月5日 火曜日
新潟県道166号線
写真は家の前の県道166号線の様子です。2019年2月5日(快晴)現在、屋根にも道路にも雪は全く無くスニーカーで歩けるくらいで、今シーズンは、まだ一度もスノーダンプを使っていません。昨年の今頃は1回目の雪下ろしが終わったばかりなのに、第2の寒波が続けて来て、また週末は屋根に上がるのかと思うとウンザリしていましたが、今年は暖冬のせいなのか極端に少ない雪に、うれしいと同時におどろいています。
全般的には暖冬傾向であるけれども、北極の寒冷渦が南下して日本海側は大雪になるというTBSテレビの気象予報士の予測は見事に外れ、ナンテンの実の落ち方が少ない年は大雪になるという言い伝えも外れました。
近未来、人間の気象予報士に代わってAIが天気予報をするようになるのでしょうが、人間よりもナンテンよりも当たるのでしょうか。私はあまり変わらないような気がします。

2019年2月11日 日曜日
映画「七つの会議」コラボドーナツ
池井戸潤さんの小説を映画化した「七つの会議」を観ました。本作は「半沢直樹」や「下町ロケット」など、池井戸作品のテレビドラマ化で監督を務めてきた福澤克雄監督作品です。
ある巨大グループ企業の中堅メーカーを舞台に、営業一課の万年ぐうたら係長が、トップである課長をパワハラで訴えたことからはじまる課長の左遷騒動と、その先に隠されていた会社の存続をも揺るがす秘密と闇を描く濃厚な社会派ドラマに仕上がっています。
先週から賃貸アパート大手のレオパレス21が、建築基準法に違反した物件を全国で1万件以上賃貸していたことがテレビの取材で明らかになり、国土交通省や金融庁までを巻き込んだ大きな問題になっていますが、これまでも企業による製品データの改ざんは繰り返され、最近では官庁までが国家運営の指針となる統計データの改ざんをしていたことが発覚するなど、社会の信頼がゆらいでいると感じます。
本作はフィクションですが、社会に対して背信行為をする組織ができてしまう原因は人の弱さにあり、それを肯定することから始めないと間違いは繰り返されるのではなかと、エンドロールに流れるボブディランの「Make You Feel My Love」を聴きながら思いました。
写真は作品中、ドーナツがストーリー展開、謎解きのアイテムとなっていることにちなんで、セブンイレブンがコラボ販売しているドーナツです。

2019年2月26日 火曜日
脳内麻薬の表紙
現在、木曜夜にEテレで放送中の「人間ってナンだ?超AI入門 シーズン2」は、AI技術の最前線を紹介し、同時に人間の思考を模倣したマシンのありようを考えることで、人間とは何かを再考するという趣向のバラエティ番組で、会話する、移動する、お金を使う、診察するなど、機能別に分けているところが面白く、とっつきやすくて毎回楽しみにしています。
番組を見て思うのは、思考するということについてAIがヒトに近い、あるいはそれ以上の能力を持つことは可能かも知れない、けれど、思考を誘発するプロセスというか、うまく言えませんが情動のようなものはマシンでは表現できないのではないかということです。
では、その情動のようなものとは何でしょうか。中野信子さんの著書「脳内麻薬 人間を支配する快楽物質ドーパミンの正体」にそのヒントがありました。
ヒトが麻薬やタバコ、アルコール、ギャンブルなどの依存症になるのは、中脳から放出される脳内麻薬とも呼ばれる神経伝達物質ドーパミンが快感を司る脳の各部位を巧みに刺激しているからということはご存知の方も多いと思いますが、実は意欲や記憶力、運動などにも関係しており、人類の進化そのものに深く関わっていることが本書では詳しく解説されています。つまり、情動は脳内の神経伝達物質が作り出していると考えられるわけです。
本書の中で一番興味深かったのは、自分が生きている意味を確認したいとう、ヒトだけにある特異的な脳機能の解説で、脳内伝達物質の働きで説明するなら利他的な行動は快感につながらないはずなのに、私たちはそこに自分の生きている意味を感じます。なぜそうなのか、いろいろ議論はあるそうですが、弱い存在である人類は、助け合うことで命をつないできたわけで、誰かのために何かをすることに快感を感じるような仕組みが備わったという中野さんの仮説は正しいと思います。宗教が生まれた理由も、もしかするとこのあたりにあるのではないか、そんな気さえします。しかし、助け合う集団が複数存在し、私たちと彼らという概念が生まれると、そこに争いが発生すると進化生物学者のジャレドダイアモンド博士は指摘します。
タバコをやめて約8年経ちますが、たまに吸いたくなる時があります。ドーパミンが与えた快感を脳はまだ覚えているのでしょう。まさに脳内麻薬です。私たちは脳内伝達物質という両刃の剣とうまく付き合っていく必要があるようです。

2019年3月9日 土曜日
わらび餅&白玉ぜんざい
新潟青陵大学の生涯学習企画公開講座の案内です。

2019年春季のテーマ
「だれもが避けて通ることのできない、いのちの始まりと終わり」
<春季第1回講座>
「いのちの授業」」生まれるいのち、つながるいのち、考えてみよういのちのこと。
期日:7月13日、土曜日、午後1時から4時
会場:新潟青陵大学
講師:池田かよ子(新潟青陵大学大学院教授・看護学)
受講料:一般1,000円(障害当事者、介助者は500円)
申込締め切り:6月25日

抄録
いのちの始まりは奇跡の連続です。自分がどうやって生まれてきたのかを知ることは、きっと「自分はすごい力を持って生まれてきたんだ!」と感じることができるでしょう。そして自分を愛おしく思い、あるがままを認める基本的な自尊感情や自己肯定感を育む力になっていくのではないでしょうか。
一人一人のいのちは尊厳と愛情をかけて大切に育てられた歴史をもっています。年齢や性別、職種にかかわらず「誕生」という視点から、自分や家族、友人のいのちを見つめなおす機会に、また現在妊娠中の妊婦さんや、子育て中のお母さまやお父様方にも妊娠や出産の仕組みはもちろんのこと、いのちを育むことの大切さについて一緒に考えてみたいと思います。さあ、あなたのいのち、見つめてみませんか。


<春季第2回講座>
「生と死」どのように生きてどのように死を迎える?
期日:8月3日、土曜日、午後1時から4時
会場:新潟青陵大学
講師:森 扶由彦(新潟青陵大学大学院教授・社会福祉学)
受講料:一般1,000円(障害当事者、介助者は500円)
申込締め切り:7月16日

抄録
私たちは今を生きています。しかし、何十年後にはどうなるのでしょうか。おそらく老いていき、やがては死を迎えることになります。私たちがどんなにあがいても死を避けて通ることはできません。
人は二度死ぬといわています。一度目は肉体の死、二度目は記憶する人がいなくなったときです。私たちの生や死はどのような意味があるのでしょうか。また、自分でなく大切なパートナーを亡くしたときに私たちへの健康への影響はどのようなものがあるのでしょうか。今をよりよく生きることが、よりよい死に結びつくかもしれません。生きる事、死ぬ事の意味を理解しこれからの生き方を考えてみませんか。

どちらの講座も詳細、問い合わせ先は以下を参考にして下さい。
公開講座申込ページ
写真は現在、セブンイレブンで販売されている「わらび餅&白玉ぜんざい」税込み297円です。甘さを抑えた粒あんの上にホイップクリーム、そこにわらび餅と白玉、きなこトッピングされたホイップクリームがデコレーションされています。王道のあんことホイップクリームの組み合わせに、きな粉の風味が加わることにより和テイスト感がさらに増しています。

2019年3月21日 木曜日
大乗仏教
佐々木閑さんの著書「大乗仏教、ブッダの教えはどこへ向かうのか」を読みました。佐々木さんはNHK、Eテレで放送されている読書バラエティ番組「100分de名著」で仏教関連著書の解説を担当されており、仏教学者になる前は京都大学で工学の研究者であったという異色の経歴の持ち主です。そのためか解説は論理的でとても分かりやすいものでした。
本書は「100分de名著」で解説した内容を「集中講義、大乗仏教」として出版したものに、最新の仏教研究の動きを加えて大幅改訂した内容となっています。「悟り」を目的にした釈迦の教えは、いつ、どこで、なぜ、どのようにして、「救い」を目的とする大乗仏教に変わったのか、釈迦の教えとどのように違うのか、仏教の歴史もふまえて解説されています。
釈迦が説かれた教えは、神秘主義を一切排除した哲学的な思想に近いもので、あくまでも出家して修行する人が対象でしたが、彼の死後600年ほど経つと神秘主義を取り入れて、出家修行しなくとも悟れるという大乗仏教に枝分かれし、さらに現在日本にある各宗派に分かれました。
釈迦が説かれた教え以外は仏教ではないという人もいますが、なにも知らなくとも「南無阿弥陀仏」と唱えれば何人も極楽浄土に行ける、阿弥陀様が必ず救って下さるという思想で救われている人がいれば仏教としての価値はあると思うし、良寛禅師のように、その仏教者としての生き方が書物になって伝えられ、多くの人の心を救うのであれば、そこにも価値はあると思います。

2019年3月24日 日曜日
やりすぎ〜チョコミントバー
昨年あたりからコンビニを中心にチョコミントフレーバーの商品が数多く発売されましたが、今シーズンもセブンイレブン限定商品で「さわやかすぎ〜チョコミントバー、税込127円」が発売されました。
チョコミント好きとしては当然、即買いしてしまいました(笑)これまであったチョコミントアイスと比べると1.5倍くらいミント感が強くコクがあるのが特徴で、パリパリチョコの甘さとのバランスが絶妙です。どのくらい「さわやかすぎ〜」なのかというと、食べ終わった後の口の中の感じが、ミントガムをかんだ後と同じといえば伝わるでしょうか。

2019年3月31日 日曜日
Tジョイ長岡のプレミアシート
朝、テレビの討論番組で、アルバイト店員が厨房で不潔行為をした動画をネットにアップしたことが原因で閉店に追い込まれる飲食店があったり、ユーチューバーや生主(ネット上でWebカメラを使いリアルタイムの映像と音声を流す人。彼らは生主、配信者と自称している)が繰り返す迷惑行為や、SNSを介したいじめの問題など、ネットが社会に与える悪影響についてどう考え、対応すべきか話し合われていました。確かにどの事例も困ったものですが、昨年、ある市議会議員選挙で起こったことはネット社会の危うさを象徴しているように思えます。
市議選挙に立候補したある生主さんは、彼の配信者仲間と共に素行の悪さはネット上では有名で、警察が介入するような事件も度々起こしています。(その模様自体を配信することもある)それを面白がり、はやし立て金銭的な支援をするリスナーが多いことは事実ですが、いくらなんでも当選するとは思いませんでした。個人の小さな悪意がネットで増幅され良識が負けてしまった結果です。
ネット上の情報に規制をかけることは危険だし、そうなると個人のモラルを向上させるしかありませんが、それが可能かどうか。
さて、写真はTジョイ長岡に導入された「T-LEX」のプレミアシートです。「T-LEX」はスクリーンが従来よりも広くなり、オーディオがアップグレードされて音質が向上しています。
この日はティムバートン監督作品「ダンボ」を「T-LEX」で観ました。ダンボを知らない人はいないと思いますが、やさしいストーリーと美しい実写映像に涙がこぼれました。ディズニー映画では「ズートピア」が最高の作品だと思いますが、本作はその次くらいの出来だと思います。エンドロールに流れる竹内まりやさんの日本語訳「Baby Of Mine」もとてもよく、心がおだやかになりました。

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