日常のささいなことを綴った不定期更新の日記です
2019年4月14日 日曜日
ティラノサウルスの骨格模型
新潟県立自然科学館において開催されている「恐竜展、科学が解き明かす恐竜のすがた」を鑑賞しました。
恐竜は2億3千万年前から大隕石の衝突が原因で絶滅したと考えられている6千6百万年前にかけて陸上に生息した爬虫類の一種です。今回の展覧会では「恐竜の復元」をテーマに、恐竜を知るための唯一の手がかりとなる「化石」の発掘から調査、研究のプロセスとともに、様々な骨格標本や生態復元模型などで科学的に恐竜を紹介していました。
面白かったのは、恐竜とほかの爬虫類、例えばワニなどとの違いで、恐竜は骨盤に対して後ろ足が真下に伸びており、ヒトのように直立姿勢に適した骨格をしていて、ワニやトカゲのような腹ばい姿勢とは違い、早い動きや長距離の移動が可能で、それが巨大化できた一因ではないかという仮説です。NHK総合で2015年に放送された「生命大躍進」でトロオドンという恐竜の脳を復元したところ、他の恐竜と比べて圧倒的に大きな脳を持っており道具を使う知性が備わっていたのではないかという研究が紹介されましたが、直立2足歩行と大きな脳、そのまま進化すれば爬虫類が文明を創っていたのかも知れません。
写真はティラノザウルスレックスの骨格標本です。その大きさに圧倒されました。

2019年4月24日 水曜日
女の機嫌の直し方の表紙
現在Eテレで放送中の「人間ってナンだ? 超AI入門シーズン3」。人工知能技術の最前線に迫り、同時に人間の思考を模倣したマシンのありようを考えることで、人間とは何かを再考するという趣旨の番組です。2045年頃に訪れるといわれているシンギュラリティ(技術的特異点)には、スタンリーキューブリック監督作品「2001年宇宙の旅」に登場するHALのような汎用AIが人間社会に革命を起こすと言われています。今回紹介する「女の機嫌の直し方」の著者、黒川伊保子さんはAI研究の最前線で活躍されており、本書はAI研究から見えてきたヒトの脳機能の性差という点に着目し、思考プロセスの性による違いを知ることが、女性と良い関係性を保つために必要であると説きます。人間とは何かというよりも女とは何かの再考です(笑)
黒川さんによれば女性は、基本的に「哺乳類のメスとしての本能」に従って種の保存、つまりセックスと子育てを行います。そのためには第一に自身の安全が保たれなければならず、そのため、「怖い」「ひどい」「つらい」など、安全を脅かすような事態にともなう感情が起こった時、脳が男性よりも強く反応します。男性が彼女の機嫌が突然悪くなったと感じるのはこのためです。女性はストレスに対する感度が男性脳より極めて高いため、その記憶も深く刻まれて残りやすいため、過去の出来事を事あるごとに何度も蒸し返して責めるというわけです。このあたりの見解は進化医学的な見方といえると思います。
では、やたらと共感を求めるのはなぜか、それは、たまりやすいストレスを解消するためなのだそうです。女性は共感する、されることにより守ってもらえる安心感を得るとともに、ストレスを解消できるしくみを持っているのだそうです。そこで実例を踏まえてとりあえず知っておくべきことを挙げると、
1.共感する
男性は早く結論を出そうとする傾向がありますが、これは男性脳の特徴であり、女性への対応法としては大きな過ちです。具体例を挙げると「なんだか頭が痛い」と言われたら、いきなり「医者に行けば」と答えるのはNG。「頭が痛いの、それはつらいね」と共感で返すのが、正解とのことです。
2.答えようのない不機嫌にはとにかく謝る 「あなたって、どうしてそうなの?」「なんでわかってくれないの?」など、答えようのない叱責には「君に嫌な思いをさせて、ごめんね」あるいは「君の気持に気づかなくてごめんね」と謝るのが正解だそうです。
どうでしょうか、実践できそうでしょうか。簡単そうでなかなか難しいと感じる方もいると思いますが黒川さんによれば、心のないセリフでもいいのだそうです。最初は心のないセリフだとしても、後から優しい気持ちが追いかけてくるから、それで十分なのだそうです。
でも、あんまり棒読みだとかえって怒りをかうような気もするのですが・・・(笑)

2019年5月5日 水曜日
ゲゲゲの人生展、水木しげる新婚当時の仕事場兼居間
新津美術館において開催中の「追悼、水木しげる、ゲゲゲの人生展」を鑑賞しました。来場者は子供から年配者まで幅広く、あちらこちらから「こなきじじい!」「ねこ娘!」と、お馴染みのキャラクターの名前を呼ぶ声が聞こえ、子供の日の美術館は水木ワールドに染まっていました。
水木しげるさんといえば「ゲゲゲの鬼太郎」のイメージが強いですが、本展では少年期に描いた人物画や風景画、スケッチ、絵本などの作品もたくさん出品されていました。中学生の頃よりゲーテをはじめ哲学書を乱読していたという彼の精神世界を描き出した作品群に天賦の才を感じました。
大正11年生まれの水木さんは、戦前、戦中、戦後の激動期を生き抜いて漫画家としてだけでなく、現実にあった戦争の記憶を伝える語り部としても後世に残る業績を残されましたが、中でも1973年に発表された「総員玉砕せよ!」は、水木さんが徴兵され、左腕を失うことになったラバウルの戦場を淡々と描き、戦争の理不尽さ悲惨さが心に押し寄せてくる作品です。あとがきにある「戦後20年位は同情したことがない。なぜなら戦争で死んだ人間の方がかわいそうだから」という言葉が重く響いてきます。
ドイツの哲学者ディルタイは、どんな精神的な事情についても私たちの知識は体験からのみ得られる。私たちが体験したことのない感情を他人のうちに再発見することはできない。だからこそ自己移入が必要なのだと指摘します。
人間とは強くないし、おろかな生き物だと思いますが、他者の痛みを知ることはできなくとも想像することくらいはできるようになりたいと思います。
写真は1965年当時の水木さんの自宅兼仕事部屋の様子を再現したセットです。

2019年5月12日 日曜日
映画「轢き逃げ 最高の最悪な日」のポスター
水谷豊監督作品「轢き逃げ 最高の最悪な日」を観ました。
本作は水谷さんによる完全オリジナル脚本で、ひき逃げ事件の加害者である青年と友人、青年の婚約者、被害者の両親、事件を追う老練な刑事の心理が絡み合い、彼らが心の奥底に隠している思いが物語の進行と並行して浮き彫りになっていくミステリーテイストの作品です。
ある街で、ひき逃げ事件が起き若い女性が死亡します。運転していた宗方と助手席に乗っていた親友の森田は、宗方の結婚式の打合せに急いでいる途中の事故でした。被害者の両親は悲しみに暮れ、老練な刑事が若い刑事と共に捜査に当たります。ほどなくして監視カメラの映像から二人は逮捕されますが、亡き娘が残した日記を父親が読んだことから思わぬ方向に物語は転がり始めます・・・。
サブタイトルの「最高の最悪な日」の意味が被害者の母親と、轢き逃げ犯の婚約者が語り合うラストシーンで頷けました。罪を背負う人にとって「許し」にしか救いはないのでしょうが、そう簡単にたどり着けるものではないはずです。しかし、本作では、それが見える終わりになっていたのが一番印象に残りました。
物語、演出、演技どれも予想以上のクオリティに圧倒されました。

2019年5月18日 土曜日
夜姫の表紙
新堂冬樹さんの小説「夜姫」を読みました。
早くに両親を交通事故で亡くし、そこから寄り添うように生きてきて九州から上京した姉妹。姉の乃愛はユニクロ、妹の茉優(まゆ)は美容院で働き始めますが、妹の茉優が新宿のカリスマホスト、星矢にハマって未成年でありながら闇金で多額の借金をさせられて飛び降り自殺してしまいます。最愛の妹を弄んだ星矢と、それを嘲笑ったキャバクラ界では絶対女王といわれる星矢の恋人、花蘭。乃愛は彼らに妹の復讐を誓いキャバ嬢に転身します。
乃愛はまず、キャバクラ界に君臨する花蘭を女王の座から引きずり降ろし屈辱を与えることを目標にします。しかし、それは乃愛が売り上げで勝つことが絶対条件になります。それには毎日更新されるキャストの売り上げ順位、24時間のLINE営業、高価な酒を入れるように誘導する巧みな会話術、太客(1晩で数十万円以上使う客)の争奪戦を制することなどが必要で、乃愛は客に対する罪悪感を捨て、売り上げを増やすことに集中しますが・・・。
腰帯の「夜に咲き狂う、一輪の花。あまりのリアルさにキャバクラ界騒然!業界の内実を描ききる」というキャッチにひかれて読んでみる気になりました。売り上げを増やすというただ一つの目標に必死になるキャバ嬢がある意味清々しいのに比べ、虚構の世界であることをわかっていながら、本物の愛を夢見るオジサンたちのなんと滑稽なことか(笑)まぁ、それでも有価証券で散財するよりは、はるかにいいのかも知れません。
乃愛の復讐劇の結末は「えっ!」というくらい呆気にとられるもので、単純なストーリーで読みやすいものの、物語の面白さという点ではプロのレベルの作品ではないと感じました。

2019年5月27日 月曜日
県道166号線の歩道の点字ブロック
うちの前を走る県道166号線の歩道に視覚障害者誘導用ブロックが設置されました。一般的には点字ブロックと呼ばれていますが、視覚障害者が白杖の先や足裏の触感覚で認識できるよう、突起を表面につけたもので、視覚障害者の歩行を安全に誘導するために歩道や駅、病院、公共施設など広く設置が進んでいます。また表面形状と色が異なりますが、横断歩道の中央部分にもエスコートゾーンと呼ばれるブロックの設置が進んでいます。
まったく見えなくて、白い杖をついている人というのが、一般市民の視覚障害者に対するイメージかと思いますが、実は十分ではないけれども見えている視覚障害者も多く、そういう人たちにとってはブロックの色も安心感を得るための重要な要素です。しかし、景観が悪くなるからという理由で周囲と同系色のものを使っている場所も多く改善が望まれます。また、残念ながら一般市民の人の中には点字ブロックの意味がわからずに点字ブロックの上に、駐車、駐輪されているのを見かけることも多く、社会の理解が進むことが望まれます。

2019年6月9日 日曜日
映画「長いお別れ」のポスター
中野量太監督作品「長いお別れ」を観ました。原作は認知症を患う父親とその家族の姿を描いた中島京子さんの同名小説です。
古希を迎えた父の誕生日を祝うため、帰郷した長女と次女。母が二人に父が半年前に認知症と診断されたと告げるところから、家族の7年間の物語が始まります。ゆっくりとではあるけれど確実に病状が進行していく父を献身的に支える母。
介護の日々が続くある日、記憶が混乱する父から改めてプロポーズされて涙する母。それぞれの人生に悩みを抱える娘たちも、何もできないはずの父から知らず知らずのうちに癒されていることに気づき、次第に父は支えられるだけの存在ではないことがわかってきます。
誰も「老い」と無関係で生きられる人はいません。本人はもちろん、周囲の人も巻き込みながら進行していくそれは、ただ死へ向かうだけの辛い旅路ではなく、人生には老いたからこそ味わえる美しい瞬間もあり、老いを肯定することの先に安らぎがあるのではないか、本作を観てそう思いました。

2019年6月16日 土曜日
ペヤングソースやきそば
文化放送のラジオ番組「大竹まことゴールデンラジオ」で大竹さんが、金粉入りのカップやきそばを食べたという話をしていて、そんなのあるんだと思って聴いていたのですが、近所のスーパーで発見しました。
お馴染みの「ペヤングソースやきそば」。通常の製品と違い全体が金色のパッケージには「祝、限定販売、金粉入り」と書かれたくす玉が割れたイラストがあります。しかし、なにを祝っているのか、なぜ金粉入りなのか、そして限定なのかわかりません。メーカーのホームページには「金粉を使用した、華やかなやきそばです」としか書かれておらず、ナゾが深まりシュールです(笑)
味は通常の製品と何ら変わりませんでしたが、肝心の金粉は食べずに小袋のまま財布にいれました。なぜかというとウェルカムゴールドといって金製品を身に着けたり、財布に入れておくと運がよくなるというオマジナイを知っていたからです。果たして税込み257円以上の幸運があるかどうか・・・ないでしょう!

2019年6月23日 日曜日
長岡市医師会館大ホール
日本転倒予防学会主催で長岡医師会館大ホールにおいて開催された「新潟転倒予防フォーラム2019」に参加しました。このフォーラムは2019年10月5日(土)、6日(日)に朱鷺メッセで開催される「日本転倒予防学会第6回学術集会」に向けてのプレ集会で、学会長の立川厚太郎先生(社会福祉法人新潟県身体障害者団体連合会理事長、悠遊健康村病院整形外科主任医長)、山本智章先生(医療法人愛広会新潟リハビリテーション病院院長)を座長に、
演題1:当院の転倒予防への取り組み
悠遊健康村病院リハビリテーション部 技士長 近藤公則

演題2:転倒予防と活動性の維持を実現するために
新潟リハビリテーション病院リハビリテーション部 理学療法科主任 高野義隆

講演:医療安全からみたスマートな転倒予防の取り組み
日本転倒予防学会理事長 東京大学名誉教授 武藤芳照

という内容で、演題1は転倒事故を回避するべく病院内に専門のチームを創設し、院内の巡視を中心とした介入をした結果、転倒事故の発生件数は変わらなかったものの、重症化する事例は減少したという報告で、認知症の患者さんに対する身体拘束の是非という問題も転倒事故の背景にはあることがわかりました。
演題2は病院内の多職種連携で提供する骨折リエゾンサービスの実践報告で、骨折で入院された高齢患者さんのおおよそ5割は退院後1年間の間に再骨折を起こしているというデータがあり、最初の入院時から治療と同時に患者教育と生活環境への介入をした結果、3割くらいまで骨折リスクを減らすことができたそうです。印象に残ったのは、骨折は活動性を上げる過程の合併症であるという考え方です。
講演は健康長寿ということを考える上で、骨折予防は病気の予防と同等に取り組むべき重要な問題であること、それを実践するにあたり医療者はどういった態度で臨むべきか、ユーモアを交えてご指導していただきました。印象に残ったのは、情報を尽くす人間性と科学を大切にするという基本理念です。

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